2022-11-28
メディカル事業の展開を説明する瀧口登志夫氏
キヤノン(株)は,米国において新会社「Canon Healthcare USA,INC.」を設立することを決定し,2022年11月24日(木)に都内で米国を含めたメディカル事業に関する記者説明会を開催した。会見には,キヤノン専務執行役メディカルグループ管掌でキヤノンメディカルシステムズ(株)社長の瀧口登志夫氏,キヤノンメディカルシステムズ取締役上席常務の立崎 寿氏が出席した。
Canon Healthcare USA,INC.は,オハイオ州クリーブランドを本拠地として2023年1月に設立を予定する。アップストリームマーケティングを行う“グローバルマーケティングセンター”を立ち上げ,最先端医療を担う医療機関とのネットワーク構築を通じて共同研究・開発を進め,フォトンカウンティング検出器搭載型X線CT(PCCT)の実用化を加速する。瀧口氏は,「キヤノングループの画像診断装置は,国内市場ではシェア1位だが世界では4位に甘んじている。グローバルでのさらなる成長のためには,米国でのプレゼンス向上が喫緊の課題であり,今回の新会社設立に至った。これまでキヤノンメディカルシステムズに集中していたマーケティング機能の一部を新会社に移管し,われわれがCTで展開してきた“Core64”“Core320”(心臓CTに関するマルチセンタースタディ)のメソッドを生かして,PCCTの実用化に向けた共同研究の事業を開始して製品化の加速をめざす」と述べた。
新会社の本拠地が予定されているクリーブランドは,古くからヘルスケア産業の集積地であり,2019年にキヤノンが買収したQED(Quality Electrodynamics)社の本社および工場もある。会長に就任予定の藤田浩之氏はQED社の社長を務めている。同じく社長就任予定の立崎氏は,「今後,3年から5年間で約3億米ドルを投資して米国でのプレゼンス向上によるグローバル競争力を強化する。その上でPCCTを早期に上市して2025年までにCTのグローバルシェア1位,画像診断装置において米国でのマーケットシェア10%以上(2021年時点で5%)をめざす」と語った。
●問い合わせ先
キヤノン(株)
https://global.canon/ja/