2022-4-15
那須工場と中継を結んで新しいワークフロー支援機能を紹介
キヤノンメディカルシステムズ(株)は,自動化技術を搭載しワークフローの効率化を可能にするCTとMRIの新製品を相次いで発売した。CTは80列CTの「Aquilion Serve」(2022年4月1日より販売),MRIは1.5Tの「Vantage Fortian」(4月5日より販売)で,同社は4月5日にキヤノン(株)川崎事業所で記者向け説明会を開催した。説明会で挨拶した代表取締役社長の瀧口登志夫氏は,「2016年末にキヤノングループ入りしてから,キヤノングループの持つ多様な技術や経営資源とのシナジーを追究した活動を行ってきた。今回発表した2つの製品は,いずれもキヤノンのイメージング部門が持つ技術を生かした機能が搭載されており,まさにその成果を具現化した製品だと言える。新製品が実現した機能は,医療機関での効率的な運用や患者さんへの快適な検査環境の提供,そして高い臨床的な価値を提供できると考えており,キヤノンとしてのメディカル事業のさらなる事業拡大に貢献できると確信している」と述べた。
80列CTの新製品であるAquilion Serveは,CT検査の一連のワークフローである“ポジショニング”〜“スキャン計画”〜“画像表示”に自動化技術(Automatic Technology)を採用したのが特長の一つだ。中でもポジションニングは,ガントリに内蔵されたカメラを活用して寝台に寝た患者の体位を検出し,最適なポジショニング位置を自動で算出する。これもガントリに内蔵されたタッチパネルで部位を選択し,MOVEボタンを押すだけでポジショニングが完了する(Automatic Camera Positioning)。ガントリ内蔵カメラはキヤノン製のカメラが採用されている。Aquilion Serveの開発では,設計段階からキヤノンとともに装置デザインや機能の考案を共同で進められてきたという。説明会では,栃木県那須のキヤノンメディカルシステムズ本社と中継を結んで実際の製品を使ってAutomatic Camera Positioningや,スキャン計画を自動化する“Automatic Scan Planning”を実演を交えて紹介した。
1.5TのDLR-MRIのVantage Fortianは,ディープラーニングを再構成に応用したDeep Learning Reconstruction(DLR)を搭載して画像クオリティを向上すると同時に,検査の各段階をアシストするデバイスや機能を搭載して新しいMRIのワークフローを提案する装置だ。その一つであるシーリングカメラは,検査室の天井に据え付けられ患者のセッティングやコイル装着をサポートする。シーリングカメラには,ポジショニングのモニターに必要な画角,解像度,最低被写体照度などをクリアしたキヤノン製が採用された。カメラの設置については,磁場内の設置に関する技術リスクやカメラからのMR画像へのノイズ混入なども考慮して検証を行った上で安全な使用が可能なシステムを両社で構築したという。シーリングカメラでは,寝台上の患者の位置を認識し適切なポジションやコイルの位置を示すガイド線を架台上部のインテリジェントモニタに表示する。これによって安定して正確なポジショニングとコイルのセッティングを可能にする。そのほか,アシスト機能として“タブレットUXアプリケーション”,撮像断面の支援機能“Auto Scan Assist”などが紹介された。
なお,両製品は2022年4月15日(金)からパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される2022国際医用画像総合展(ITEM2022)のキヤノンメディカルシステムズブースに出展の予定だ。
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