2022-4-12
3つのコンセプトで開発された「Trinias」
(株)島津製作所は2022年4月11日(月),血管撮影システム「Trinias」の最上位機種を発売した。同日,島津製作所本社(京都市中京区)およびオンラインで行われた記者説明会には,常務執行役員 医用機器事業部長の青山功基氏とグローバルマーケティング部でTriniasの責任者を務める後藤泰輔氏が登壇し,医用機器事業の事業戦略と新製品の特徴を説明した。
X線診断装置の世界シェア4位(7%)である島津製作所は,中期経営計画でソフトウエア機能の強化など継続的な付加価値提供による収益の拡大をめざし,2023年3月期業績目標として連結売上高720億円を掲げている。ソフトウエア機能の強化では人工知能(AI)技術の展開に注力しており,今回発売されたTriniasは,血管撮影システムにAI技術を搭載した画像処理技術を世界で初めて(同社調べ)実装した装置である。
最新のTriniasは,さまざまな課題を抱える医療現場の“リアル”を解決するため,「ALARA Design」「Lean Design」「Sustainable Design」の3つをコンセプトに開発された。AIのディープラーニング技術を活用してノイズ抑制とコントラスト強調を両立させる画像処理技術“SCORE Opera”は,デバイスの視認性を向上させることで,透視による被ばく線量を最大40%削減することができる。操作性も追究され,ワンアクションでのスピーディなポジショニングチェンジが可能なほか,コンソールやタッチパネルを用途や操作者により100以上の機能からカスタマイズすることができる。また,最近は血管撮影装置の使用年数が延びているが,常に最新の装置を使いたいというニーズに対して,サブスクリプションでソフトウエアパッケージを定期的に更新するサービス“SCORE Link”も提供する。7つのアプリケーションからスタートし,以降も新開発のアプリケーションも含めアップデートが可能になる。ハードウエアには,将来的な拡張性を意識したシンプルなエコ設計が採用されるほか,ハードウエアのアップグレードサービス“reBORN ecoプログラム”も用意している。
記者説明会では本社ショールーム「メディカルセンター」の実機を用いたデモンストレーションも行われ,カテーテル治療の際に,目的部位(頭部や心臓)と穿刺部位(鼠径部や手首)の観察におけるCアームとテーブルのポジショニングチェンジを,ワンアクションで行える様子などが紹介された。
●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.med.shimadzu.co.jp/