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日本医療機器産業連合会(医機連)が第7回メディアセミナーを開催コロナ禍における医療機器産業界の取り組みについて解説

2020-11-26

オンラインで行われたセミナーの様子。左上から司会の荒金 徹 氏(医機連広報委員会委員長),阿部篤仁 氏(医器販協),五嶋規夫 氏(医器販協),左下が田中修二 氏(JIRA),大畑裕一 氏(医器販協)

オンラインで行われたセミナーの様子。
左上から司会の荒金 徹 氏(医機連広報委員会委員長),
阿部篤仁 氏(医器販協),五嶋規夫 氏(医器販協),
左下が田中修二 氏(JIRA),大畑裕一 氏(医器販協)

一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)は2020年11月25日(水),第7回メディアセミナーをオンラインで開催した。同セミナーは,広報活動の一環として,医療を専門とする記者に対し,医療機器に関する継続的な情報発信などを目的としたもの。今回は,コロナ禍における医療機器産業界の取り組みや影響,医療機器の感染対策などについて講演が行われた。

まず,一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)の田中修二氏(株式会社島津製作所)が登壇し,「医療機器の感染対策に関わる設計思想と営業活動について」と題して,田中氏が所属する島津製作所を例に挙げ,医療機器メーカーの取り組みについて解説した。

新型コロナウイルス感染症に対しては,各医療機器メーカーがそれぞれ取り組んでおり,その内容については,各メーカーHPなどに掲載されている。島津製作所では,特に感染リスク低減や肺炎診断に対応可能な機器の開発・提供に取り組んでいる。このうち肺炎診断については,臨床医が肺炎を疑い,画像診断を必要とした場合,胸部X線撮影による評価の有用性が認められているが,撮影に当たっては,院内感染対策のため動線を考慮し,動線が分けられない場合は移動可能な撮影装置が必要となる。田中氏は,同社の回診式X線撮影装置はパワーアシスト技術により移動が容易で,撮影した画像をその場で確認できるほか,ウェットティッシュなどの消毒用品を収納できるなど,感染症対策下での使用に対応可能であるとし,またコロナ禍での需要の拡大に応じて量産体制を整え,販売対応を行っていることなどを紹介した。さらに,ワクチン開発など新型コロナウイルス対策の進展に伴い,医療機器に対するニーズの変化が予測されるが,それについては,ワクチンの有効性の検証や効果判定には分析や画像診断が必要になるとし,それらに有用な機器の開発にニーズが生じるのではないかとの認識を示した。

田中修二 氏(JIRA)

田中修二 氏(JIRA)

 

続いて,「流通面における新型コロナウイルス感染症の影響について」と題して,一般社団法人日本医療機器販売業協会(医器販協)の五嶋規夫氏(株式会社やよい)が,8月に行ったアンケート調査について紹介した。医器販協は,1998年に国内唯一の医療機器販売業者の全国組織として発足。離島などの僻地を含め,地域差なく全国をカバーし,「流通から医療を支える」ことを使命としている。2020年2月ころから国内でも広がりを見せた新型コロナウイルス感染症は,医療機器流通にも少なからぬ影響を与えたことから,医器販協は加盟36社に新型コロナウイルス感染症の影響に関するアンケート調査を行った(Web回答方式,回答率100%)。

アンケートの結果について,五嶋氏はまず,9割以上の企業で売り上げが減少し,多くの企業で在庫量が増加するなど,経営への影響が見られたことを指摘。また,多くの医療機関からの訪問規制要請や企業の判断による訪問自粛があった半面,既存の取引がない医療機関や施設からの問い合わせが多くあり,業務量の増加がうかがわれたとした。なお,問い合わせの多くは感染症対策製品の購入についてのものだった。さらに,医療機関での医療機器の適正な使用を支援する適正使用支援業務への影響も大きく,特に手術や検査数の減少から,手術・検査時に医療機器の使用・操作方法などの情報提供を行う立会い業務や,医療機器の短期貸出し・持込み業務が大きく減少したことが示された。

五嶋氏は,全国の医療機器販売業者は,現在の第3波でも流行初期と同様の緊張感を持って医療機器の調達に従事しているとした上で,医療を支えるインフラとしての自覚を持ち,全国の医療機関に必要な医療機器を安定的に届けることで,医療の安心を提供していきたいと締めくくった。

五嶋規夫 氏(医器販協)

五嶋規夫 氏(医器販協)

 

●問い合わせ先
日本医療機器産業連合会
TEL 03-5225-6234
http://www.jfmda.gr.jp/