2020-1-9
新延晶雄 会長
2019年は人工知能(AI)画像診断支援元年であったが,2020年はAIの社会実装に向けた第一歩の年となる——一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)の新延晶雄会長は,2020年1月8日(水),KKRホテル東京(東京都千代田区)で行われた恒例のJIRA会長年頭所感発表会において,2020年はAIを用いた製品やサービスが医療現場に広がっていくとの見方を示した。新延会長は,超高齢社会や働き方改革,人生100年時代への取り組みが進んでいる日本の現状を取り上げた上で,課題を解決するためにはAIやIoT,ビッグデータ,ロボット,5Gなどの技術革新が必要だと説明。産業界として,新たなルールづくりに貢献し,研究開発から社会実装への段階に進め,課題解決につながる新たな価値の提供を速やかに行わなければならないと述べた。
現在,AIを用いた医療機器プログラムとしては,「疾患鑑別用内視鏡画像診断支援プログラム」と「MR装置ワークステーションプログラム」が薬機法の承認を得ている。また,2020年度の診療報酬改定に向けて,「人工知能技術を用いた画像診断補助に対する加算」と「AIを用いた放射線治療計画」が評価検討の対象になっている。さらにAIを用いたradiomicsにも注目されており,JIRAでは2019年12月12日(木)に行われた「第9回画像医療システム産業研究会」において,radiomicsをテーマにした。これらを踏まえた上で,新延会長は,AIが医療現場で貢献できるよう取り組んでいくと強調した。
このほか,新延会長は,2019年に策定した「JIRA産業ビジョン2025」の実現に向け,2020年のJIRAの取り組む重要事項として次の4項目を挙げた。
・薬機法の改正
・医療法施行規則の改正による診療用放射線の適正管理
・2020年度診療報酬改定
・医療機器規制の国際整合
年頭所感発表会の後には,行政,学会,産業界からの来賓を招き,盛大に新年会が開かれた。
●問い合わせ先
一般社団法人日本画像医療システム工業会
事務局
TEL 03-3816-3450
http://www.jira-net.or.jp