2019-3-1
新たに発売される血管造影X線診断装置
「Azurion 7 C20 with FlexArm」
(株)フィリップス・ジャパンは,同社のAzurionシリーズの新たなラインアップとして,血管造影X線診断装置「Azurion 7 C20 with FlexArm」の販売を開始する。
Azurion 7 C20 with FlexArmに搭載されている新開発のCアーム“FlexArm”は,従来の製品より多い8つの可動軸を採用し,広範囲の可動域を有する。周辺機器による制約のないレイアウト,術者やスタッフにとって快適かつ安全なポジショニングなど,柔軟性に優れる点が特長である。また,Cアームの移動のみで患者の全身にアクセスでき,挿管チューブやケーブル外れのリスクが低減できるなど,安全性も強化されている。さらに,コンパクトな設計で,既存の治療スペースでも導入しやすいことに加え,構造的心疾患(SHD)や末梢血管のカテーテル治療などの症例数の増加が見込まれる手技や,今後導入される新たな治療環境にも,柔軟な対応が可能である。
今回の発売に伴い,2019年2月28日(木)にストリングスホテル東京インターコンチネンタル(東京都港区)で行われた記者発表会では,冒頭で代表取締役社長の堤 浩幸氏が挨拶に立った。堤氏は,日本人の死因の約25%,国民医療費の約20%を脳梗塞や心筋梗塞などの循環器疾患が占める状況の中,2018年12月10日に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(脳卒中・循環器病対策基本法)」が成立したことを受け,循環器病対策の強化が進むであろうと指摘。その中で同社は,循環器領域のケアサイクル全体にわたるソリューションを提案していきたいとの抱負を述べた。
次に,IGTビジネスマーケティンググループの佐山春香氏がAzurion 7 C20 with FlexArmの概要を説明した。佐山氏は,FlexArmの製品化に当たって欧米で行われたユーザーテストの結果,すべての医師が,同製品により処置における柔軟性が広がったと回答したことや,システムユーザビリティ評価指標(SUS)でも高評価を得たことを紹介した。そして,特に多様化するカテーテル治療において,同製品により,症例ごとに最適な治療環境を実現し,質の高い治療をサポートできると改めて強調した。
続いて,USビジネスマーケティンググループの梅川夕佳氏が,循環器領域にフォーカスを当てた同社の超音波診断装置「EPIQ CVx」について紹介した。EPIQ CVxは,リアルタイムで多断面に展開する“MultiVue”機能などを搭載し,カテーテル治療においては,デバイス留置時のガイドや治療中の計測をより短期間,かつ正確に行えることなどが示された。
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最後に,小倉記念病院循環器科部長の白井伸一氏が登壇し,「SHDの現状と未来」と題して,講演を行った。SHDの一つである大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症は,高齢化社会の進展に伴い,近年増加傾向にある。心機能低下や高齢のため,外科的手術が適応とならない患者も多く,その場合,経カテーテル大動脈弁留置術や経皮的僧帽弁クリップ術などのカテーテル治療が有用な選択肢となる。また,カテーテル治療では透視画像や超音波,心電図など多くの情報を総合して処置を行うことが求められ,それらの情報を一つのモニタ上で一元化し,統合する同社のソリューション“EchoNavigator”が有用である。白井氏はこのように述べた上で,画像診断装置やデバイスの進歩により,より安全な治療が可能になると期待を示し,講演を締めくくった。
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