2018-11-19
第1回CTC技術協議会〜Day 1 〜
前処置編を開催
第7回首都圏消化器画像技術研究会(M☆GIT)が2018年11月16日(金),AP品川京急第2ビル(東京都品川区)で開催された。共催は伏見製薬(株)。また,基調講演はキヤノンメディカルシステムズ(株),「第1回CTC技術協議会〜Day 1〜前処置編」はアミン(株)と(株)AZE,富士フイルムメディカル(株)が,セッション共催として名を連ねた。今回は翌11月17日(土)に行われる第17回消化管CT技術研究会学術集会とのジョイント形式での開催となり,第1回CTC技術協議会〜Day 2〜は,「標準化の前に,確認すべきこと」をテーマに,同学術集会内に設けられた。
従来とは違う新しいスタイルでの開催となったことについて,開会に当たり挨拶した代表世話人の藤原正則氏(亀田メディカルセンター幕張)は,大腸CT(CTC)に精通した人材が東京都内に集まる有意義な2日間になるので,大腸CTの基礎や標準化に向けたディスカッションをしていく機会にしたいと述べた。
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藤原氏の挨拶の後,基調講演へと進んだ。萩原芳広氏(栃木県立がんセンター)が司会を務め,満崎克彦氏(済生会熊本病院予防医療センター)が「バリウム前処置を検証する〜開発の舞台裏〜」をテーマに,伏見製薬所(株)の大腸CT用経口造影剤「コロンフォート内用懸濁液25%」の治験を中心に大腸CTで重要なバリウム前処置について講演した。満崎氏は,まず日本における大腸がんの死亡率が高いことに言及し,背景には検診受診率,特に精検受診率の低さがあると述べた。その原因について,満崎氏は大腸内視鏡に対する不安感などを挙げ,代替となる検査として大腸CTが登場したと説明した。日本における大腸CTの歩みの中でも,画期的なのが2016年6月のコロンフォート内用懸濁液25%の上市であるが,満崎氏は米国多施設共同試験ACRIN6664を基に治験を行った。治験の結果について満崎氏は,前日高張法による前処置に用いることで,非常に高い診断精度を得られたほか,タギングの有効率も好成績であったこと,腸管洗浄剤を低減できたことなどを報告した。さらに,満崎氏は,自施設における前処置について概説した。講演をまとめるに当たり,満崎氏は大腸CTの課題も取り上げ,前処置が多様化したことや,読影医の不足と人材育成の重要性について言及した。
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次いで,鈴木雅裕氏(イーメディカル東京遠隔画像診断センター)の司会の下,第1回CTC技術協議会〜Day 1〜前処置編が行われた。この企画は,全国各地の大腸CT関連の研究会が用意した画像を基に前処置について議論する場として,初の試みとなる。参加した研究会は,北海道消化管CT研究会,東北消化管CT技術研究会,首都圏消化器画像技術研究会(M☆GIT),関西CTコロノグラフィ研究会,中四国スクリーニングCTC研究会,九州大腸CT研究会,ほかに中部地区。各研究会の代表者は,アミン,AZE,富士フィルムメディカルが用意したワークステーションを使用して大腸CT画像を参加者と供覧し,自施設の前処置法のメリットとデメリットなどを説明。さらに,ディスカッションを行った。この中で,高張法と等張法による前処置の違いや,ガストログラフィンとバリウムによるタギング,緩下剤(ピコルスファートナトリウム内用液)の服用量などが話題に取り上げられた。
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すべてのプログラム終了後には,世話人の一人,黒羽克英氏(水戸済生会総合病院)が挨拶して閉会となった。なお,翌日の第17回消化管CT技術研究会学術集会の中で行われるDay 2では,鎮痙剤の使用,ガス送気手順,撮影体位,直腸カテーテルのバルーン使用,撮影条件,内視鏡不通過症例の検査,などをテーマに意見交換が行われる。
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●問い合わせ先
首都圏消化器画像技術研究会
http://metropolitan-ctc.kenkyuukai.jp/