2018-3-1
血管撮影装置の新製品
「Philips Azurion Bi-plane」
(株)フィリップス・ジャパンは2018年2月28日(水),本社(東京都港区)にて血管撮影装置の新製品「Philips Azurion Bi-plane」の発表会を開催した。Azurionは,新開発技術を多数投入した血管撮影装置の新世代プラットフォームとして,Mono-planeタイプが2017年3月に日本国内で発売された。Bi-planeタイプの提供開始によりAzurionはフルラインアップとなり,より多様な症例に対応可能なシステムとして展開していく。
発表会でははじめに,IGTビジネスマーケティングマネージャーの大島一範氏が,Azurion Bi-planeの製品ラインアップと特徴について紹介した。Bi-planeシステムは,脳神経血管内治療向け「Azurion 7 B20/15」,循環器疾患治療向け「Azurion 7 B12/12」,循環器疾患・全身・汎用型「Azurion 7 B20/12」,手術台と組み合わせたハイブリッド手術室向け「Azurion 7 B20/15 ORT」の4タイプで展開される。Azurionは,Clarity IQテクノロジーにより高画質と被ばく低減を両立しながら,運用システム“コネクトOS”による周辺機器や情報の統合管理,検査室・操作室でマルチタスク処理が行える“インスタントパラレルワーキング”,スマートフォンのように直感的に透視画像の操作を行えるタッチスクリーンモジュールなどの新技術によりワークフローを大幅に改善し,患者,医療従事者の負担を軽減することができる。ユーザー施設における検証で,従来システムと比べ治療時間を17%短縮したとの報告もあり,手技の効率性を高めるソリューションである点がアピールされた。
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続いて,2017年に「Azurion」を先駆けて導入し,臨床活用している総合東京病院(東京都中野区)の副院長・心血管インターベンション治療センター長の村松俊哉氏と同医長の滝村英幸氏が講演した。
総合東京病院は,2017年4月に新設したB棟2階フロアに心臓血管センターを開設し,Mono-planeタイプのAzurionを2台導入した。心臓血管センターには,カテーテル室(3室),心血管疾患集中治療室,循環器病棟を集約し,救急センターとも専用エレベーターでつなげることで,効率的で迅速な診療を行う環境を構築した。2017年には心臓カテーテル検査805件,経皮的冠動脈インターベンション492件,末梢血管カテーテル治療165件など,実績を重ねている。村松氏はAzurionの導入を決めた理由について,フィリップス社製血管撮影装置の画質の高さを挙げ,「フィリップスの画像は,背景に臓器が重なっていても血管が非常に見やすく治療に有用である。それと同時に,Azurionは特別な工夫をせずに使っていても,従来装置と比べて線量を約1/3に抑えることができ,患者,医療従事者の医療被ばくを低減することができる」と評価した。
また,滝村氏は,実際の使用経験をもとにAzurionの有用性について紹介した。まず,ハードウエアについて,シンプルで患者に威圧感を与えないCアームデザイン,58インチと大型で視認性の高い高精細液晶モニタ“FlexVision”,直感的に操作しやすいタッチパネルなどを紹介。また,血管内超音波(IVUS)など周辺システムをFlexVisionに表示して操作できることや,操作室からもシステムを操作し手技支援ができることで,手技を止めることなく効率よく施術できる点を評価した。ソフトウエアについては,Cアームを回転させながら撮影する“Swing Coronary Angiography”や,1回撮影したロードマップを透視画像に重ねて表示する“Dynamic Coronary Roadmap”により,造影剤の使用量を少なくすることができることを,実際の画像を示しながら説明した。加えて,下肢末梢血管に対するカテーテル治療での使用経験についても述べ,わずか1mLの造影剤でも加算画像を作成して明瞭な造影画像が得られることや,“2D Perfusion”で血流カラーマップを示すことで患者にも理解しやすいといったメリットを紹介した。
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