2017-12-11
マーク・バービイ 氏
(インテルコーポレーションアジアパシフィック・
ジャパン担当ヘルス・ライフサイエンス担当ディレクター)
インテル(株)は,ヘルスケア分野を重要な事業領域と位置づけ,人工知能(AI)やビッグデータ,IoT向けの技術を積極的に投入していく。2017年12月7日(木)に本社(東京都千代田区)で開催した記者説明会では,インテルコーポレーションのアジアパシフィック・ジャパン担当で,ヘルス・ライフサイエンス担当ディレクターのマーク・バービイ氏が,ヘルスケア分野におけるインテルの現状と今後の取り組みについて報告した。
PC向けの半導体を手がけてきたインテルであるが,近年はクラウドやデータセンター,スマートフォンなどの小型デバイス向けへと製品展開が広がっている。今後は,人工知能(AI),IoT,5G,自動運転に加え,ヘルスケアを注力する分野と位置づけている。特にAIについては,2016年の同社サーバ向け製品の売り上げの7%がAI関連で,その内訳は6割が機械学習,4割がディープラーニングとなっている。同社では,AI関連の製品の需要は2020年までに12倍に成長とする予測しており,ヘルスケア分野でのAI活用も推進する。
説明会の中でバービイ氏は,インテルがヘルスケア分野のAI活用をリードしていくと強調した。その具体例として,バービイ氏は,医用画像におけるAI活用について取り上げた。医用画像は,モダリティの高性能化などにより,膨大な画像データが発生し,読影医に大きな負担がかかっている。また,読影医の数も不足しており,より効率的なワークフローが求められている。そこで,医用画像の解析にAIを用いることにより,読影作業が大幅に効率化され,高精度な診断が可能となるという。医用画像のAI活用については,すでにカリフォルニア大学サンフランシスコ校や浙江大学などの大学,ケアストリームヘルスなどの企業と手がけている。
インテルでは,このほかにもプレシジョン・メディシンに向け,医療データや日常生活から得られる健康データなどのビッグデータをクラウド上で管理し,個人が自ら健康管理を行ったり,予防医療や創薬などにデータを活用できる基盤にも技術を提供していく。また,センサを搭載したスマートフォンやウエアラブルデバイスで健康状態などを管理する遠隔モニタリングの技術開発も進めていくことにしている。
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