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島津製作所,乳房専用PET装置「Elmammo Avant Class」を発表ブラインドエリアの縮小や快適性の向上,検出器の最適化によるコストダウンを実現

2017-9-5

Elmammo Avant Classの実機を展示

Elmammo Avant Classの実機を展示

島津製作所は2017年9月4日(月),ストリングスホテル東京インターコンチネンタル(東京都品川区)にて乳房専用PET装置の新製品「Elmammo Avant Class」の製品発表会と発売記念講演会を開催した。

Elmammo Avant Classは,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の成果をもとに2014年に製品化された「Elmammo」の後継機種となる。高感度・高解像度(全身用PETと比べそれぞれ約10倍・約2倍)はそのままに,Elmammoユーザー(国内では10施設に納入)の意見を取り入れ,ベッド改良によるブラインドエリアの縮小や被検者の快適性向上,検出器の最適化による導入コストの低減を実現した。
従来機の課題の一つに,撮像体位や体型により胸壁側の部分が撮像視野から外れてしまうことがあった。そこで乳房を下垂させる検出器ホール周囲のクッションを着脱式にするとともに,クッションを薄くし,さらに天板を検出器に近づけることで,より胸壁に近い部分の撮像が可能になった。また,顔を乗せるマット部の段差を従来の15mmから32mmに深くすることで,被検者の首への負担が軽減し,より快適に検査を受けられるようになっている。

ベッド改良によるブラインドエリアの縮小

ベッド改良によるブラインドエリアの縮小

 

検出器ホールや顔を乗せる部分のクッションを着脱式に変更

検出器ホールや顔を乗せる部分のクッションを
着脱式に変更

 

検出器についても最適化が図られた。従来機の検出器は3リング・156mm視野であったが,Elmammo Avant Classでは2リング・103mm視野を標準タイプとして販売する。過去の臨床データ解析から日本人女性の98%が103mm視野に収まることから,検出器部分を最適化することで,装置価格を従来機よりも抑えることが可能になった。103mm視野に収まらない大きな乳房の場合には,検査補助クッション有無の2回撮像により乳房全体を視野に収める。なお,3リング型も販売可能となっている。

日本人女性に合わせた検出器の最適化

日本人女性に合わせた検出器の最適化

 

また,従来は収集と処理で独立していたコンソールを統合することで,操作性を簡便にし,省スペース化も実現している。最新GPU搭載により画像処理時間が従来機より半減し,右側,左側の順で撮像する場合には,左側撮像中に右側の画像処理が完了するようになりスループットが向上する。加えて,各種保守作業を自動化することでユーザーの負担を軽減した。

講演会では,はじめに島津製作所常務執行役員 医療機器事業部長の伊藤邦昌氏による挨拶,同社医療機器事業部グローバルマーケティング部の高橋宗尊氏による技術紹介に続き,昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門准教授の明石定子氏による講演「乳がん検診・診断・治療における乳房専用PET装置への期待度」が行われた。
昭和大学,島津製作所,ミッドタウンクリニックの三者は全身PET/MRIとElmammoの診断能について共同研究を行っている。明石氏は,研究での使用経験から,Elmammoでは全身用PETで検出できない小さな浸潤がんも検出でき,マットの改良によりブラインドエリアの縮小も可能であると述べ,検診や治療における有用性を紹介した。検診においては高濃度乳房や豊胸術後への適用,治療においては術式決定や術前化学療法の早期効果判定において有用性が認められるとし,症例を示して解説した。術前の広がり診断ではMRIと同等の描出能があり,MRI不適応症例や背景乳腺の造影効果が高度であるために診断が困難な症例などへの応用が考えられるとした。また,術前化学療法の効果判定においては,早期のSUV低下による完全消失の予測や,SUV低下の程度により薬剤の継続や追加・変更を判断できる可能性を示唆した検討を紹介し,高感度・高解像度な撮像が可能な乳房専用PETの臨床応用への期待を示した。

伊藤邦昌 氏(常務執行役員 医療機器事業部長)

伊藤邦昌 氏
(常務執行役員 医療機器事業部長)

高橋宗尊 氏(医療機器事業部グローバルマーケティング部)

高橋宗尊 氏
(医療機器事業部グローバルマーケティング部)

明石定子 氏(昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門)

明石定子 氏
(昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門)

 

●問い合わせ先
島津製作所 医用機器事業部 グローバルマーケティング部 販売促進グループ
TEL 075-823-1271 FAX 075-823-2921
http://www.med.shimadzu.co.jp/

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