2017-8-14
Applied Intelligenceのサービスの特徴
GEヘルスケア・ジャパンは2017年8月10日(木),「Applied Intelligence 医療データ分析サービス(Applied Intelligence)」を発表した。GEが製造や運輸,エネルギーなどの産業分野で世界的に推進しているIoT基盤「Predix」を用いたサービス。GEヘルスケア・ジャパンでは,Predixを活用して,人とモノと情報をインターネット上で接続し,収集されるビッグデータを分析して医療の質や経営効率の向上を図る「Brilliant Hospital構想」を2016年4月に発表し,サービスの第一弾として画像診断装置の故障の予兆を検知し予防する「Brilliant RaDi」の提供を開始した。Brilliant Hospital構想の新サービスとなるApplied Intelligenceは,画像診断装置やRISなどから得られるデータを収集して,ダッシュボードと呼ばれる画面上で可視化し,病院経営や業務効率の改善のための分析が行える。
Applied Intelligenceでは,まずサービス導入前に,医療機関の経営や業務の課題を抽出して評価するアセスメントを実施する。その上で,分析のためのプラットフォームを構築し,重要業績評価指標(KPI)を可視化するために,各データの連携やダッシュボードの設計などを行う。さらに,KPIなどから得られた情報から改善に向けたコンサルティングを提供する。分析に利用されるデータは,同社製の画像診断装置やPACS,RISなどの医療情報システムにかぎらず,標準規格に対応した他社装置・システムでもよい。また,CSV形式をはじめ,多様なデータフォーマットに対応しているほか,Webベースでの分析により,セキュアな環境で柔軟な運用が可能である。データ分析を行うためのダッシュボードは,参照したい情報を直感的に理解しやすいレイアウトで表示。速やかに業務や経営改善に役立てられる。
すでに,2017年2月から大阪府堺市のベルランド総合病院において,パイロット事業が行われており,CT検査の待ち時間の短縮や,外来検査と入院検査比較による増収化といったことにApplied Intelligenceを活用している。
Applied Intelligenceの発表当日は,GEヘルスケア・ジャパンの本社(東京都日野市)において記者発表会が行われ,Predixを用いた業務改善により成果を上げている日野工場の見学会が合わせて実施された。記者発表の場で登壇した代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏は,超高齢社会が進む中で医療現場には医療資源の有効利用や,データ活用による医療の質の向上,コスト改善が求められていると指摘。そして,解決策としてデジタルとITの連携によって人とモノと情報をつなぎ,得られた示唆をアクションにつなげることを挙げて,同社がそのソリューションを提供すると述べた。さらに,多田氏は,医療資源の有効利用を図るためには医療従事者の勤務環境改善に投資し,生産性を向上させることが不可欠であるとし,日野工場はPredixを用いた「Brilliant Factory」の取り組みによって生産性を改善しており,IoTの有用性を実証していると説明した。
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この日野工場のBrilliant Factoryでの業務改善については,同社製造本部本部長 工場長の藤本康三郎氏から解説が行われた。日野工場は全世界に450か所あるGEのショウケース工場と位置づけられており,他企業も見学に訪れている。同工場でBrilliant Factoryは,(1)デジタル技術と,(2)ムダの排除を意味するリーン,(3)先進の製造技術,(4)3Dプリンタにより,人や生産工程によるバラツキ,ムダを可視化して,改善を図っていく。2016年の活動成果として,リードタイムを65%削減できた生産ラインがあるという。このほか,経済産業省の予算で,2015年度に独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の「グローバルイノベーション拠点設立等支援事業」に採択された実証実験において,(株)村田製作所のRFIDを用いた「Hino Beacon Tracking System」を構築し,工場内の職員の動線を可視化して,それを基にレイアウト変更を行い,最適化を図っている。
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藤本氏のプレゼンテーションに続き,同社ヘルスケア・デジタル事業本部本部長の松葉香子氏が,Applied Intelligenceのサービス概要を紹介した。松葉氏は,まず,Brilliant Hospital構想について,医療の質を落とさず医療機関経営や放射線部門運営を最適化することがねらいであるとし,IoTを活用して医療機関や地域医療の課題を多角的にサポートするというコンセプトを説明した。その上で,医療機関は,膨大なデータが集積されていても,分析には負荷がかかり,十分活用できていない課題があると指摘。課題を解決するツールとしてApplied Intelligenceがあるとして,サービスの概要とベルランド病院での成果を紹介した。
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なお,Applied Intelligenceの費用については,アセスメントやダッシュボードの内容によって,施設ごとに異なる。今後は,国内に3500施設ある同社の画像診断装置導入施設を中心に,販売を展開していく。
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●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
TEL 0120-202-021
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