2017-6-5
各界から多くの来賓も出席
公益社団法人日本診療放射線技師会(JART)は2017年6月2日(金),パレスホテル東京(東京都千代田区)において,創立70周年記念式典を開催した。
JARTは,1947年7月13日に日本放射線技師会として設立。長年にわたり,放射線診療における予防・診断・治療技術の発達に取り組むことで公衆衛生の向上を図り,国民の健康維持に寄与することを目的に活動してきた。JARTの活動が広まっていく中で,わが国では1951年に診療エツクス線技師法,1968年に診療放射線技師及び診療エツクス線技師法,1983年に診療放射線技師法が施行され,診療放射線技師の職務の明確化と地位向上が図られた。その結果として,わが国の放射線診療は世界でもトップレベルへと発展してきた。さらに,2010年の厚生労働省医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」によって,読影の補助や放射線検査などに関する説明・相談を行えるようになり,2014年の診療放射線技師法の一部改正では業務の拡大が図られるなど,診療放射線技師の役割はますます重要性が増している。
記念式典では,出席者によるJART綱領朗読の後,主催者挨拶が行われた。壇上に上がったJART会長の中澤靖夫氏は,まず先達への感謝の気持ちを述べた。そして,診療放射線技師は,少子超高齢社会に対応し,医療機関内だけでなく,在宅,介護,福祉の分野においても,専門性の高い画像診断技術と治療技術を提供していく必要があると説明。その上で,中澤氏は,日本の国民すべてが元気で長生きできるよう,診療放射線技師の専門性を発揮してチーム医療を推進し,国民の健康と福祉の増進に貢献することが重要であると語った。
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次いで,来賓を代表し,厚生労働副大臣の橋本 岳氏の代理として厚生労働省医政局医事課長の武井貞治氏が登壇し,祝辞を読み上げた。祝辞では,放射線診療の発展,国民の健康増進に貢献してきたJARTの活動に感謝の意が伝えられたほか,厚生労働省としてチーム医療を推進しており,診療放射線技師の果たす役割は大きいとして,今後さらなる研さんに励み,国民の期待に応えてほしいとの言葉が贈られた。
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記念式典はこの後,厚生労働大臣表彰へと移り,57名の受賞者の氏名が読み上げられた。その中から,中央推薦の小林一郎氏が,受賞者代表挨拶を行った。
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記念式典終了後には,休憩を挟み,記念講演会が開かれた。昭和女子大学理事長・総長の板東眞理子氏が登壇し,「共生社会に求められる人間力」をテーマに講演した。坂東氏は,少子超高齢社会を迎える日本では,長寿を喜び,受け入れるように,マインドセットを変えることが重要だとして,自身の米国留学の経験談を交えながら,共生社会における心のあり方を語った。
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当日は,17時から記念祝賀会も行われ,JART70周年を盛大に祝った。
画像診断技術と治療技術が高度化し,より高い専門性が求められる中,診療放射線技師の存在感は今まで以上に高まっている。JARTには人材育成などの活動を通じて,今後も日本の放射線診療に貢献することが期待される。
●問い合わせ先
公益社団法人日本診療放射線技師会
TEL 03-5405-3612
http://www.jart.jp