2017-5-26
東京曳舟病院に導入されたハイブリッドER
シーメンスヘルスケア(株)と医療法人伯鳳会グループは,東京曳舟病院(東京都墨田区)における救急災害医療の強化を目的としたパートナーシップ契約を2017年4月21日(金)に締結した。2017年5月25日(木)には,東京曳舟病院にて共同記者発表会を行い,パートナーシップの一環として導入されたハイブリッドERなどが報道陣に公開された。
発表会には,伯鳳会グループ理事長の古城資久氏と,シーメンスヘルスケア(株)からは代表取締役社長兼CEOの森 秀顕氏と執行役員アドバンストセラピー事業本部本部長/西日本リージョナル営業本部本部長の渡邉隆史氏が出席した。
シーメンスヘルスケアは,日本における戦略の一つとして医療機関とのパートナーシップを推進しており,今回の伯鳳会グループとのパートナーシップは,2015年に社会医療法人博愛会相良病院(鹿児島県鹿児島市)と次世代の女性医療に関してスタートしたものに続き,2例目となる。
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東京曳舟病院は,伯鳳会白鬚橋病院から改称し,2017年4月1日(土)に東武スカイツリーライン・曳舟駅に直結した立地に新築移転した。同院は,白鬚橋病院の時代から救急災害医療に力を入れており,東京都から災害拠点病院の指定を受けるとともに,東京DMAT指定病院として事故現場や全国の被災地にスタッフを派遣している。また,救急車搬入台数は2015,16年と2年連続で都内で3番目に多いなど,救急医療への貢献度も高い。
今回締結されたパートナーシップは,救急災害医療を中心とした医療機器の運用およびサービスに関するもので,基本的内容としては,1)画像診断・治療に関する最新または最適な医療機器の提供,2)救急災害医療における診断・治療ワークフローの総合支援,3)新たに開設した東京曳舟病院のブランド構築支援,4)シーメンスのリファレンスサイトとして知識交流や共同研究を推進,の4点である。このうち,1)医療機器の提供においては,救急災害医療により高度に対応するため,128スライスCT「SOMATOM Definition AS+」,血管撮影装置「Artis Q Biplane」,多軸型多目的透視撮影装置「Artis zeego」と専用手術台を組み合わせたハイブリッドERなどが導入された。
救急医療の現場では,画像診断にCTをファーストチョイスすることが潮流となっている。古城理事長は,「当院でも救急外来患者の約3/4でCT検査を行っており,この点においてもシーメンスヘルスケア社に期待している。また,災害医療においては省電力型のCTが求められるが,撮影スピードや画質,被ばく線量低減などを担保したベストプラクティスをシーメンスヘルスケアと探っていき,災害医療でもCTが活躍できるようなノウハウをつくっていきたい」と述べた。
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同院では,救急センターの初療室に隣接してCT検査室を配置し,救急患者が集中した場合にも迅速にCT検査を施行できる環境を整えた。血管撮影室のArtis Q Biplaneでは,造影検査,動脈損傷時の塞栓術,脳血管や循環器の急性期診療などの救急災害医療に対応する。ハイブリッドERに備えられたArtis zeegoは,8軸関節のロボットアームによりポジショニングの自由度が高いことが特長で,多くのスタッフが入り,さまざまな機器が使用される手術時にはアームを天井や壁方向に待避して,広いワークスペースを確保することができる。透視撮影やコーンビームCT撮影による検査から,治療,外科手術,術中画像診断までをハイブリッドERだけで対応でき,救急災害医療を強力に支援する。
シーメンスヘルスケアでは,臨機応変な対応が求められる救急災害医療に最適化されたハイブリッドERの導入効果をいつでも発揮できるように,運用方法に関するコンサルテーションや機器に関する定期的なトレーニング,災害・テロを想定した共同リハーサルなどを通して,継続的・総合的に支援していく。また,災害時における機器運用方法の共同研究や有効性評価,成果発表などにも取り組むことで,救急災害医療分野に貢献していくとしている。
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●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア(株)
TEL 0120-041-387
http://www.siemens.co.jp/healthineers