2017-1-12
年頭記者会見の出席者
(左から原澤 氏,中尾 氏,田中 氏,久芳 氏)
一般社団法人日本医療機器産業連合会(以下,医機連)は2017年1月6日(金),KKRホテル東京(東京都千代田区)にて平成29年度年頭記者会見を開催した。会見には,会長の中尾浩治氏をはじめ,専務理事の原澤栄志氏,産業政策会議議長の田中俊英氏,広報委員会委員長の久芳 明氏が出席し,中尾氏より年頭所感が述べられた。
中尾会長は,年頭所感の中で,今後医機連が重視していくべき3つのトピックについて語った。
1つ目としては,償還価格の毎年改定についてを挙げ,医機連として反対姿勢を継続していく意義について説明した。医機連は,毎年改定に対する反対意見の陳述は行ってきたが,オプジーボの薬価引き下げに伴う薬価の毎年改定を受け,医療機器についても毎年改定の議論をせざるを得なくなっている状態だとした上で,医薬品とは異なる医療機器の特性を踏まえた償還価格の在り方を行政と議論していくと述べた。
2つ目は,PMDAの運営状況について挙げた。これは,申請数の大幅減によるPMDAの申請料等の値上げが起こったことを受けたもので,医機連としては,従来通りPMDAに申請手続きの簡素化・合理化を進めていくことを引き続き要求していくとした上で,今回のようなことが起こった背景にPMDAの財源が不安定な点があるとし,財源の安定化を図るために国費の支出を増やすべきであるとした。
3つ目に,イノベーションの重要さを挙げ,医療機器産業ではイノベーションが不足しているとし,従来の業界団体が中心としているロビー活動に重点を置くのではなく,イノベーションを中心として医療に貢献していくための具体策を考案,実行していくことが大切であると語った。中尾会長は,日本はイノベーションを推進するための具体論が弱いためにイノベーションが不足しているのではないかと指摘し,医機連が支援を行っている「Biodesignプログラム」での実例を挙げ,イノベーション人材の育成と評価に力を入れていく環境作りの必要性を訴え,年頭所感を締めくくった。
●問い合わせ先
日本医療機器産業連合会
TEL 03-5225-6234
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