2014-10-29
産婦人科向けプレミアム装置
「Voluson E10」
GEヘルスケア・ジャパンは,2014年10月28日(火)に超音波画像診断装置「Voluson」シリーズの最上位機種となる産婦人科向けプレミアム装置「Voluson E10」を発表,販売を開始し,同日,日本GEグローバルイノベーションセンター(東京都港区)にて記者発表会を行った。
Voluson E10は,最新のシステムアーキテクチャ「Radiance System Architecture」と「Electronic 4Dプローブ(E4D)」を採用し,周産期に特化した3Dアプリケーション“HDlive Silhouette”“HDlive Flow”を搭載した産婦人科向けプレミアム超音波画像診断装置。胎児の先天異常が顕著に現れる心臓や血流などを妊娠初期から詳細に観察することができ,出生前診断の精度を上げ,出生後すぐに治療が必要な胎児の治療計画などをサポートする。
Radiance System Architectureは,最新のビームフォーマデザイン,ハイパフォーマンスCPUと最新のGPUを採用し,並列処理の強化を図ったことで,従来装置よりもコントラスト分解能,フレームレート,4Dレンダリングのクオリティを大幅に向上させた。また,同社初となる電子式スイープ方式のElectronic 4Dプローブは,8192の素子を配列したマトリックスプローブで,短時間でボリュームデータを取得することで高画質な3D,4Dイメージングを実現。同時に2方向からの観察を可能にするBi-Planeイメージングやリアルタイム4Dなど,胎児心臓評価に有用な画像・情報の提供を可能にする。
同社では,3Dデータに360°移動可能な光源を適用し,あらゆる方向から胎児を観察する技術「HDlive」を2011年に発表しているが,Voluson E10には,これをさらに進化させたアプリケーションHDlive SilhouetteとHDlive Flowが搭載された。HDlive Silhouetteは,胎児の体表や臓器の表面のエッジを残し,エコーが均質な部分を透明化することで,胎児の臓器の位置を観察可能にした。HDlive Flowは,HDliveのサーフェス技術を血流情報に適用したアプリケーションで,胎盤血流や胎児の心臓の血流,脳血管など全身の血管をより立体的に表示することができる。
またVoluson E10は,次世代を担うプラットフォームとして,従来装置からコンソールボディデザインが一新された。高級感・清潔感をイメージした白を基調としたカラーリングや,23インチの液晶ワイドモニタを採用。タッチパネルは,タブレット端末のようにスワイプ操作を可能にするなど,使いやすさを意識したデザインとなっている。
発表会では,はじめに代表取締役兼CEOの川上 潤氏が挨拶に立ち,同社の女性医療への取り組みを紹介した。同社が「ライフステージに応じたトータルケア」と「個別化ケア」の視点で女性医療ソリューションを提供していると述べた川上氏は,日本における産婦人科周産期医療の課題として,医療の偏在と高齢出産などハイリスク妊娠の増加を挙げ,前者に対しては遠隔診断支援で,後者に対しては胎児先天性疾患の早期発見・診断精度向上を支援するVoluson E10により貢献していくと述べた。次に,超音波本部Women’s Healthcareマーケティングマネジャーの八幡 努氏が登壇し,Voluson E10の製品紹介を行った。
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この後,東北大学病院総合周産期母子医療センターの川瀧元良氏と,クリフム夫律子マタニティクリニック臨床胎児医学研究所院長の夫 律子氏による講演が行われた。
「先天性心疾患の胎児診断」と題して講演した川瀧氏は,胎児スクリーニングの普及や超音波診断装置の進歩により,先天性心疾患の胎児診断率が向上しているものの,出生直後の手術が必要な完全大血管転位や総肺静脈還流異常は,従来装置では胎児診断が困難であることを説明。Voluson E10のElectronic 4Dプローブにより,短時間で直交3断面を取得できるeSTIC機能や,プローブを持ち替えることなく同時に水平断面と垂直断面を観察できるBi-plane機能が可能となったことで,胎児診断率の向上につながると臨床的有用性を述べた。
続いて,夫氏が「ここまできた! 出生前診断を網羅する胎児画像診断」と題して講演を行った。近年話題になっている新型出生前遺伝学的検査(NIPT)で判定できるのは先天性疾患のごく一部だけであり,胎児診断における超音波の重要性が関連学会でもいっそう強く言われるようになっていると述べた夫氏は,従来装置とVoluson E10の画像を供覧し,さまざまな先天性疾患の出生前診断における超音波診断の有用性を解説した。HDlive Silhouetteでは,妊娠初期の胎児の骨を描出することができるため,椎体骨などの診断に従来行われていた3D CTに代わりうることや,HDlive Flowでは数mmの心臓内血流や脳の髄質静脈が明瞭に描出される様子を紹介し,超音波診断はあらゆる先天性疾患の診断を網羅できる“Fetus First”のモダリティであると締めくくった。
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●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
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