2014-9-25
当日発表された乳房用超音波画像診断装置「Invenia ABUS」。
丸みを帯びた全体のフォルムが柔らかさを感じさせる。
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,2014年9月24日(水)に,乳房用超音波画像診断装置の新製品「Invenia ABUS(インべニア・エイバス)」を発表した。同日には,赤坂パークビル(東京都港区)において記者発表会を行うとともに,プレス向けセミナー「ヘルシーマジネーション・カレッジ」を開催し,全自動走査で高精度の画像が得られる同装置の有用性をPRした。
Invenia ABUSは,マンモグラフィでは診断が困難なデンスブレストの患者の検査に有用な,自動でフルボリュームスキャンが可能な超音波診断装置。これにより,検査者の技量に左右されることのない検査精度の標準化・統一化と,再現性の高い検査が実現している。また,プローブにはReverse Curve形状を採用。乳房にフィットするため,従来のリニア型プローブに比べて痛みが軽減されている。さらに,コンパクト設計でスペースに応じた設置ができる。移動も可能で,マンモグラフィとの併用検査ができるため,検査時間の短縮も期待されている。
記者発表に先立ち行われたヘルシーマジネーション・カレッジは,デンスブレストがテーマ。初めに,代表取締役兼CEOの川上 潤氏が登壇し,女性医療への取り組みを語った。川上氏は,女性医療を考える際のキーワードとして「ライフステージに応じたトータルケア」と「個別化」を挙げ,女性はライフステージにより罹患疾患が変わるため,それに合わせて医療ニーズが異なることを理解し,対応していくことが必要だとした。また,今回のヘルシーマジネーション・カレッジにおけるキーワードとして特に「個別化」を強調し,個人に最適な医療をしていく重要性を訴えた。
次いで昭和大学医学部乳腺外科の中村清吾氏による「日本人の乳がん 現状と今後の対策」と題した講演が行われた。中村氏は,腫瘍と乳腺が共に白く描出されてしまうため,マンモグラフィでは診断が困難となるデンスブレストの患者の検査において,腫瘍が黒く描出される超音波画像診断装置のInvenia ABUSなら,従来の超音波画像診断装置も含めた各モダリティが持つ欠点を克服しながら,全体的な画像をとらえることができる一般的な乳がんの検診装置となりうるのではないかと期待を寄せた。
最後に,チーフ・マーケティング・オフィサーの伊藤久美氏が,同社が誇る女性医療のソリューションについて紹介した。伊藤氏は,個別化医療をフォローし,検査スピードや精度を向上することで,患者の不安や負担を軽減していくことが提供するべき女性医療の「トータルソリューション」だとし,2013年11月に発表した乳房トモシンセシス“SenoClaire”とInvenia ABUSにより,女性医療に対するラインナップは最強になったと自信をうかがわせた。
|
|
|
続いて行われたInvenia ABUSの記者発表会では,まず,超音波本部営業統括部長の伊藤勇作氏より,Invenia ABUSの開発背景が語られた。伊藤氏は,デンスブレストの患者の乳がん検診に有用な超音波検査をより普及させるために,乳房超音波検査における検査者の技量と画像の再現性という課題を解決したInvenia ABUSを開発したと述べた。
次に,超音波本部General Imaging部製品担当の大谷友里氏が,Invenia ABUSの特長について紹介した。大谷氏は,プローブの形状や検査の再現性といった点のほかに,通常の超音波画像診断装置では描出することのできない平行断面画像を表示することができることや,ボタン操作で3段階の自動圧を選択できる“コンプレッション・アシスト”機能を紹介。Invenia ABUSにより,今後の乳がん検診のスタイルは変わっていくのではないかとの展望を示した。
最後に,超音波本部General Imaging部アプリケーションスペシャリストの有田祥子氏より,実機を使った製品説明が行われた。Invenia ABUSは,女性の患者が感じる不安や緊張を軽減するため,丸みを帯びたフォルムをしており,プローブ部分にLEDライトを搭載。画面はタッチパネルで直感的に操作することができ,撮影箇所に応じてプローブの方向を指示する機能が搭載されるなど,超音波画像診断装置の使用経験を問わない工夫がなされている。ワークステーション側の機能についても,マンモグラフィ画像との比較表示が可能となっていることや,ニップルから腫瘤までの距離と方向を示してくれる機能などが紹介された。
|
|
|
|
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp