2014-7-14
富士通社製電子カルテシステムユーザーが参加
電子カルテフォーラム「利用の達人」は,2014年7月12日(土),富士通(株)本社ビル汐留シティセンターの大会議室(東京都港区)において,第11回総会を開催した。利用の達人は,富士通社製電子カルテシステム「HOPE EGMAIN-GX/FX」のユーザー会として,2003年に設立された。ホームページでの活用事例紹介などのほか,事例発表会といったイベントを実施している。富士通はこの活動でユーザーの意見を集約し,電子カルテシステムのレベルアップにつなげている。
当日は,まず会長である河北博文氏(社会医療法人河北医療財団理事長)が挨拶に立ち,利用の達人の活動を通じて,システムの機能が年々向上し,データ分析にも有用になってきたと述べた。その上で河北氏は,自身が1986年に取り組んだ杉並地域医療システム(SRHS)を紹介。地域包括ケアが進む状況にあって,これからの電子カルテシステムは,病院の中での活用にとどまらず,地域での情報連携や,福祉などのサービスにもつながるものにしていく必要があるとまとめた。次いで,世話人の改選について説明があり,新たに事務局として高橋弘充氏(東京医科歯科大学医学部附属病院薬剤部部長)が就任したことが発表された。さらに,フォーラム活動への貢献に対する感謝状贈呈式が設けられた。
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この後,特別講演が行われた。講演者は,国立社会保障・人口問題研究所所長・東京大学名誉教授・中央社会保険医療協議会(中医協)会長の森田 朗氏。「少子高齢人口減少時代における医療政策」をテーマに,40分間にわたり講演した。森田氏は,始めにわが国における少子高齢化と人口減少について解説。年少人口・生産年齢人口・老年人口の推移を述べた上で,東北・中国・四国地方といった人口減少が著しい自治体における状況や,首都圏など都市部の高齢化の動向を説明した。さらに,森田氏は社会保障費の増大とそれに伴う国,国民の負担増を取り上げて,医療提供体制や診療報酬制度における評価方法を見直す必要があると述べた。そして,医療の提供を効率化するためには,番号制度の導入を進めるべきであると説明。その上で,ITを導入して,医療の質の向上,サービスの最適化,地域医療資源の管理,医療政策・制度の改善に生かすことが重要だと論じた。
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特別講演に続いて,「導入/運用関連」「情報管理/活用」「レベルアップ」の各フォーラムから,2013年度の活動報告と2014年度の活動計画が発表された。導入/運用関連フォーラムの発表では,香西ひろみ氏(東京ベイ・浦安市川医療センター看護部師長)から,9月13日(土),14日(日)の2日間,富士通関西システムラボラトリにおいて,第10回導入/運用ノウハウ事例発表会が開催されることが紹介された。また,情報管理/活用フォーラムについては,兵藤敏美氏(千葉県済生会習志野病院システム情報課課長)が2013年度に行ったDWHセミナー,「eXChart」に関するセミナーとワーキンググループの活動を報告。藤本智裕氏(市立池田病院経営企画室室長)が情報管理ワーキンググループの活動内容を説明した。次いで,レベルアップフォーラムの活動報告では,高橋氏がHOPE EGMAIN-GX/FXのレベルアップ項目を解説した。GX/FXともに2014年3月に最新版(GXV06とFXV09)がリリースされた。FXのレベルアップはこれで終了となり,次期GXV07は2016年3月のリリースをめざすという。
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引き続き,「富士通からのお知らせ」として,同社ヘルスケア・文教システム事業本部医療ソリューション事業部第一ソリューション部部長の中川昌彦氏が登壇した。中川氏は,電子カルテシステムの導入状況やGXV06とFXV09に搭載された最新機能を紹介した。
総会の最後には,代表世話人である竹田 秀氏(一般財団法人竹田健康財団理事長)が閉会の挨拶を行った。竹田氏は,共通番号制や地域包括ケアなどの医療を取り巻く環境の変化に目を向けながら,フォーラムの活動に取り組んでいくことが重要であると述べ,総会を締めくくった。
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●問い合わせ
電子カルテフォーラム「利用の達人」事務局
富士通株式会社 文教・ヘルスケアビジネス推進統括部ヘルスケアビジネス推進部
TEL 03-6252-2701
E-mail tatsujin-jimu@ml.css.fujitsu.com