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GEヘルスケア・ジャパン 五十肩治療をテーマに「第9回ヘルシーマジネーション・カレッジ」を開催

2014-4-30

会場風景

会場風景

GEヘルスケア・ジャパン(株)は2014年4月23日(水),赤坂パークビル(東京都港区)にてプレス向けセミナー「第9回ヘルシーマジネーション・カレッジ」を開催した。
社会保障・税一体改革では,2025年に向けた医療提供体制の構築が進められている。2025年には団塊世代が75歳以上となり高齢者人口が30%を超え,その数2000万人という超高齢社会の到来が予測されている。セミナーでは,多くの高齢者が罹患している五十肩の対策や予防医療について,名古屋市立大学病院大学院医学研究科整形外科の後藤英之氏が痛みに対する診療に関して講演したほか,超音波診断装置による診断を実演した。

始めに,GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの川上 潤氏が挨拶に立った。川上氏は,自身が五十肩にかかった時の経験談を交えて,整形外科で原因を診断・治療できることを知らない患者が多いと説明。理由として,整形外科領域における画像診断が比較的新しく,まだ開拓の余地があることを挙げ,昨今の超音波診断装置のトレンドである小型・モバイル化だけでなく,今後臨床で新しい価値をつくる次世代超音波診断装置の開発に意欲を見せた。

続いて,後藤英之氏が「患者300万人!『五十肩治療』への超音波診断・治療の実際 〜超高齢社会における整形外科医の新しい役割〜」と題した講演を行った。後藤氏はMRI検査や超音波検査の進歩により知ることができた,五十肩という症状の原因や機序について説明。五十肩は医学的には肩関節拘縮,凍結肩,癒着性関節包炎と呼ばれる症状の総称であり,それが起こる原因として肩峰下滑液包の炎症や癒着,腱板の断裂を挙げた。超音波診断装置の進歩によりこのような原因を早期に特定し,確実な治療ができるようになったと述べ,生涯健康な生活を送るために,外傷などの傷害だけでなく,五十肩のような運動障害でも整形外科で早期に診断・治療を受けてほしいと呼びかけた。
次に,自施設における超音波診断装置の有用性を診断面と治療面から紹介。診断面では,CTやMRIのように検査に時間がかからず,痛みの部位をリアルタイムで表示できるため,何が起こっているかを医師と患者がいっしょに確認できるメリットを挙げた。治療面では穿刺の状況や,薬液が注入されているかを画像上で確認しながら確実に治療を進められるほか,再現性を持たせることができる点を強調した。また,ガングリオンなどの治療で,メスを入れたくない患者に対して,穿刺吸引などの低侵襲な治療を提案できることもつけ加えた。
この後,後藤氏は右肩の違和感を訴える被検者に協力してもらい,超音波診断装置「Venue40」での診断を実演。実際にプローブを当て患部を動かしながら,超音波診断装置の利点や病態について説明した。検査では右肩の腱板に異常があり,動かすとひっかかるような挙動も確認でき,実際に両手を挙上してもらうと右手が左手よりも上がらず,五十肩になる手前の状態だと診断がなされた。この被検者には痛みなどの自覚症状はなく,画像をきっかけに,病気の前段階でも発見することができることが示された。これまで五十肩のような小さな異常を見つけることは困難だったが,超音波診断装置の進歩によって,症状が出る前からわかるようになったため,早期に診断し,治療につなげてもらいたいと講演を締めくくった。

川上 潤 氏(GEヘルスケア・ジャパン)

川上 潤 氏
(GEヘルスケア・ジャパン)

後藤英之 氏(名古屋市立大学病院)

後藤英之 氏
(名古屋市立大学病院)

 

 

最後に質疑応答が行われ,会場からさまざまな質問が寄せられた。その中で,後藤氏は超音波診断装置を扱える整形外科医は少なく,セミナーや学会を通じて増やす取り組みを行っていることに触れた。また,超音波診断装置に今後求める機能として,持ち運びやすさのほかに,手先や神経などをきれいに描出できる高画質と,誰でも扱えるように自動化を進めてほしいといった要望を挙げた。

超音波診断装置の実演

超音波診断装置の実演

 

●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp