2014-1-30
Smartheart Japan(株)は、12誘導心電図の計測が可能で,スマートフォンを使って心電図データを伝送して専門的なアドバイスが受けられる個人用ポータブル心電計「smartheart(スマートハート)」を2月3日(月)から販売を開始する。発売を前に、製品の特長やサービスの概要について紹介するプレス向け発表会を1月29日(水)に開催した。
スマートハートは、イスラエルのSHL Telemedicine社が開発した世界最小の個人用ポータブル心電計で、病院などで使用されている心電計と同様の12誘導の精度の高い心電図が計測できる。さらに,iPhoneなどのスマートデバイスと接続して計測した心電図データの管理やデータを転送して専門家のアドバイスを受けられるのが特徴だ。スマートハートは,ホルター心電図のように継続的な計測を行うのではなく、定期的な測定や症状を感じたときに簡単に精度の高い計測ができる装置だ。医療機器として薬事認証(クラスⅡ)を受けているほか,FDAおよびCEマークも取得済みで,ワールドワイドでは10万人のアクティブユーザーがいるという。
スマートハートの使用方法は,電極のついたベルトを胸部に巻いて本体を身体の正面に設置,専用アプリをインストールしたスマートデバイスとペアリングを行う(通信はBluetooth)。アプリ上で正しくセットされているかといった状態や,現在の症状などの質問を入力し,開始ボタンをタップすることで測定がスタートする。測定した心電図データは,SHL Telemedicine社の遠隔医療センターでのレビューとフィードバック(アプリ内での日本語によるメッセージ)が受けられる(有料サービス)ほか,かかりつけ医などにメールで伝送することも可能になっている。利用できるスマートデバイスは,iOS(iPhone/iPad)とAndroid(スマートフォン/タブレット)。計測用のアプリはAppStoreやGooglePlayから無料でダウンロードする。
装置の販売は,Smartheart Japanのサイトを通じて個人向けに直接行う。価格はスマートハート本体が10万円,そのほか心電図データに基づいたアドバイスを受ける有料サービス(月額3000円)の契約が必要となる。Smartheart Japanでは,国内販売開始にあたってキャンペーン価格での提供なども検討しているとのことだ(ホームページなどで発表)。
プレス発表会では,最初にSmartheart Japanの代表取締役社長であるケイダー・ヨアブ氏が挨拶し,「スマートハートを日本で発売することができ,個人用のポータブル心電計が心臓疾患に苦しむ患者さんの早期の診断と安心感につながることを期待している」と述べた。続いて,スマートハートの開発元で,遠隔でのサポートなどのサービスを提供するSHL Telemedicine社の副社長であるYoav Rubinstein氏が、同社の事業概要と予防医療市場におけるスマートハートの展開について説明した。SHL Telemedicine社は1987年に設立,主に心臓疾患を対象とした遠隔医療サービスの提供を手掛け,個人用の遠隔医療システムの開発や,24時間体制で医療スタッフによる専門的なサービスを提供するSHL遠隔医療センター(イスラエル)を運用するなど,患者個人向けの包括的な遠隔医療ソリューションを提供している。2001年からグローバル展開を図り,ドイツ,アメリカ,インドなどでビジネスを展開する。
続いて,Smartheart Japanのアドバイザーである順天堂大学医学部生理学第二講座先任准教授の家崎貴文氏が登壇し,狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患のアウトラインと,心臓疾患における心電図検査の役割について解説した。心臓疾患は早期に診断し治療することが重要であり,日常生活の中での発作時の心電図を記録でき,病院で行われる心電図検査と同様の12誘導心電図が得られる個人用ポータブル心電計は心臓疾患患者にとって意味のある装置だとして,スマートハートへの期待を語った。
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●問い合わせ先
Smartheart Japan(株)
フリーダイヤル:0120-205-810
(営業時間:平日のみ午前9時〜午後5時)
http://www.smartheart.co.jp