2013-11-5
展示ホールのテーマステージでの
ヘルスケア関連のイノベーションをPR
(株)日立製作所は,2013年10月30日(水),31日(木)の2日間,東京国際フォーラム(東京都千代田区)において,日立イノベーションフォーラム 2013を開催した。このフォーラムは1999年にスタート。同社をはじめとする日立グループが,社会の課題を解決するためのイノベーション技術を紹介する場として設けられた。講演やセミナーのプログラムが用意されたほか,最先端のITソリューションの展示が行われた。
ヘルスケア関連の講演,セミナーでは,初日に「地域医療,介護における地域包括支援実現への取り組み」「健康長寿を支えるデータヘルスの実際」「ヘルスケア分野のビッグデータ利活用によるQlikView適用事例」などが行われた。このうち,「ヘルスケア分野のビッグデータ利活用によるQlikView適用事例」では,独立行政法人国立病院機構横浜医療センターの宇治原 誠氏が,同センターにおける事例として,診療科別の原価計算など,蓄積された診療データを基にした経営に役立つデータ分析などを紹介。現状は経営に関するデータ分析が中心であるが,将来的には,職員抗体価分析,来院患者分析,紹介元病院分析,クリティカルパス分析などにも取り組んでいくと述べた。
翌31日のヘルスケア関連の講演,セミナーとしては,「日立のめざす社会を支えるヘルスケアITサービスビジネス」「“脳の可視化”が実現する超高齢少子社会のヘルスケア」「ICTで変えるヘルスケア 健康で住みやすい地域社会の実現」「筑波大学の陽子線治療」などのプログラムが組まれた。「日立のめざす社会を支えるヘルスケアITサービスビジネス」では,日立製作所情報・通信システム社スマート情報システム統括本部担当本部長の宇賀神 敦氏が講演した。宇賀神氏は,pre-medical,medical,post-medicalという,予防から診療,そして介護などのケアにいたるトータルでの情報の管理によりQOLが向上するが,現状ではそのデータが一元管理できていないと指摘。その解決に向けクラウドを活用し,強固なセキュリティとプライバシー制御の下で,ビッグデータの二次利用ができる仕組みを構築するという,同社の戦略を説明した。さらに,宇賀神氏は,取り組みの1つとして,2013年10月に始まった英国NHSとの実証事業を解説。ヘルスケアデータの統合プラットフォームの構築や生活習慣病改善プログラムを紹介した。
また,「筑波大学の陽子線治療」では,筑波大学附属病院陽子線医学利用研究センターのセンター長である櫻井英幸氏が講演した。櫻井氏は,放射線治療の利点として,機能や形態を残せて,高齢者や合併症のある患者にも適用でき,部位にかかわらず照射できるということを説明した上で,外部照射と内部照射の2つの治療法を紹介。外部照射の治療法の1つに,陽子線治療があると述べた。さらに,櫻井氏は,陽子線治療が国内で現在年間2000例ほど行われており,同センターでは肝がん,小児がん,肺がんや食道がんなどの難治がんに施行していると解説。実際の治療法を説明した。
一方,展示ホールでは,ライフイノベーションのコーナーにおいて,ヘルスケア分野の製品やソリューションが紹介された。セミナーでも取り上げられた地域包括支援のための「Hi-Scene/地域連携パッケージ」や「日立粒子線治療システム」,NHSとの実証事業のデモと説明に加え,3T MRI「TRILLIUM OVAL」のスケールモデルやデジタル超音波診断装置「Noblus」が展示された。さらに,「疲労・ストレス検診システム」,クラウド型健康支援サービス「はらすまダイエット」といった,健康・予防医療のための製品・サービスのPRも行われた。
このほか,ロビーギャラリーでもヘルスケアのイノベーションを展示し,来場者以外の一般向けに日立グループの取り組みを紹介していた。
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