2024-12-4
手術時間短縮や患者負担軽減にも寄与する
外科用CアームX線撮影装置「CIARTIC Move」
Siemens Healthineers(シーメンス)のブースでは,外科用CアームX線撮影装置のハイエンドモデル「CIATRIC Move」を展示した。前回のRSNAで発表され,リモコンの採用や片手で移動させることができるなど,優れた操作性を持つ装置として来場者の関心を集めた。その後,2024年3月5日には日本国内での販売を開始している。血管撮影装置の代用としてステントグラフト挿入術に適用できる装置である。
本体は多方向にフレキシブルに動く自走式の車輪を採用。Cアームの位置を最大12ポジション記憶させることができる。また,手術台の位置と待機場所を記録させ,リモコン操作で本体を行き来させることが可能。焦点の自動補正や被写体をアイソセンタに合わせるためのアシスト機能を搭載している。このような自動化機能やリモコン操作により,診療放射線技師をはじめとしたスタッフの作業を負担軽減,省力化を図れ,医師の働き方改革に伴う人材不足への対応や人材不足を補うことにもつながる。また,手術の効率化を図ることになり,手技の時間短縮にも貢献し,患者の負担軽減にも寄与する。日本国内では鹿児島県の社会医療法人緑泉会 米盛病院で第1号機が稼働している。
一方,血管撮影装置は,大型のタッチパネルを操作すると壁面全体のディスプレイに「ARTIS icono biplane」などの装置が表示されて,タッチパネル操作で上下・左右,拡大・縮小操作を行え,実際の操作環境を理解しやすくした。さらに,新しいアプリケーションとして,ARTIS icono biplaneに搭載される3Dロードマップ機能のデモンストレーションも実施した。3Dロードマップは,3D画像を透視画像上にオーバーレイして表示する。従来は正面像だけであったが,側面像にも対応し,脳血管内治療での手技を支援し,安全性と精度の向上に貢献する。