2024-12-4
「Deep Resolve」により撮像時間の短縮が可能な
PET/MRI「BIOGRAPH One」（薬機法未承認）
Siemens Healthineers（シーメンス）のMRI展示エリアでは，PET/MRIの「BIOGRAPH One」（薬機法未承認）1.5T装置「MAGNETOM Flow」の2機種を展示した。BIOGRAPH Oneは，2010年のRSNAで発表された「Biograph mMR」の後継機種となる第2世代のPET/MRI。MRIにはシーメンスの研究用ハイエンド3T装置である「MAGNETOM Vida」を，PETには半導体検出器搭載の「Biograph Vision」を採用している。Biograph Visionは214ピコ秒のTOF時間分解能を有しており，従来機種よりも大幅に収拾時間を短縮できる。MRIもディープラーニングを用いて高画質化，撮像時間の短縮化を図る画像再構成技術「Deep Resolve」を採用しており，30分以内で撮像が可能。FOVは従来の装置よりも拡大し，35cmとなっている。MAGNETOM Vidaに搭載された「BioMatrix Technology」も採用しており，呼吸同期などのセンサのBioMatrix Sensorsが利用できる。さらに，幅90cmのブランケット型コイル「BioMatrix Contour XL coils」を2つ寝台にセットすることで全身の撮像にも対応する。
放熱対策として穴を開けたブランケット型コイル「BioMatrix Contour coils XL」
もう1台の新機種MAGNETOM Flowは，日本国内でも2024年11月に発売された。液体ヘリウムの再補充が不要な完全密閉の冷却装置を採用。クエンチパイプが不要になるなど軽量化も図れ，設置場所を高さ2m，最小設置面積24m2に抑えられる。さらに，電力消費量は最大40％削減可能で，医療機関にとってはコスト面でのバリューも高い装置である。また，MAGNETOM Vida譲りのBioMatrix Technologyが搭載され，「BioMatrix Position Sensor」内蔵のBioMatrix Contour coilsによって撮像位置を認識し，ポジショニングを自動化。加えて，「myExam AutoPilot」によってワンクリックで撮像を行え，検査の効率化と時間短縮を可能にする。このほかにも，Deep Resolveが適用でき，撮像時間の短縮や高画質を図れる。
ヘリウムフリー構造採用の1.5T装置「MAGNETOM Flow」
なお，Deep Resolve については，最新ソフトウエア「XB10」から3D撮像に対応したことがアナウンスされた。このほか，BioMatrix Technologyの新技術として，動きを補正する「BioMatrix Motion Sensor」が紹介された。
「Deep Resolve」が3D撮像に対応したことをアナウンス
センシングにより動きを補正する新技術「BioMatrix Motion Sensor」