2024-12-3
移動型X線撮影装置「mKDR Xpress」
(日本国内では「AeroDR TX m01」
として展開)
Konica Minolta Healthcare Americas, Inc.(コニカミノルタ)のX線撮影領域では,X線動態撮影(Dynamic Digital Radiography:DDR)に加え,医療従事者不足や業務効率化などの課題に貢献する新機能を紹介した。
米国では,現在,Uアーム装置「KDR Advanced U-Arm(KDR AU)System」,天井走行式撮影装置「KDR Flex」,移動型X線撮影装置「mKDR Xpress」(日本国内では「AeroDR TX m01」として展開),クリニック向けのスタンダードUアーム装置「Straight Arm」でのDDRが可能で,ほぼすべての顧客層にDDRの提供が可能な状況にある(移動型以外の機種は日本国内未展開)。米国では,DDRを用いた「シネラジオグラフィ」の項目で診療報酬が加算可能であり,特にmKDR Xpressの直近の1年間の販売台数は約40〜50台で,導入施設数は順調に伸びている。
さらに,米国で使用するコンソール「Ultra DR Software」では,新たに音声による操作が可能になった。技師が氏名を名乗ると自動でログインし,画面移行も音声で操作できる。さらに,撮影室内に配置したディスプレイにポジショニングのガイドメッセージを表示し,同時にアナウンスすることで,患者の自律的なポジショニングを促す機能が搭載された。米国では,医療従事者の不足などを理由に,日帰り救急施設(urgent care)やイメージングセンターへの移行が進んでいる。それらの施設でも,担当者のレベルのバラツキをなくし,一定の水準が担保された検査を行うための支援機能として活用されている。また,撮影装置の管球にカメラを搭載し,撮影前にポジショニングを確認する機能も追加された。同社は,DRなどのコア製品と地域企業の買収などを通じて得たコンポーネントを組み合わせ,地域性に合致したシステムとして提供するローカル開発を軸に展開している。これらの支援機能の開発・搭載はその一例であり,今後はカメラ機能にAIを組み合わせたポジショニング支援機能など,より有用な機能の開発も視野に入れている。
また,旧Viztek社の子会社であった20/20 Imaging社(2015年買収)の製品群も展示した。同社の製品ラインアップは,カイロプラクティックや足専門クリニック向けの撮影装置,ナーシングホーム向けの移動型装置などで,ロウセグメント向けながらも使用数は大きい。また,カイロプラクティックは「動き」を重視することから,DDRが導入されつつあるという。
嚥下機能をX線動態撮影(DDR)により可視化