2024-12-3
RSNA 2024初日には「Sonic DL in 3D」(W.I.P.)の
発表イベントを実施
GE HealthCare(GEヘルスケア)のMRIでは今回,人工知能(AI)を用いた高速撮像技術「Sonic DL in 3D」(W.I.P.)を発表した。GEヘルスケアは画像診断装置へのAIの実装を強化しており,MRIにおいてもこれまで,ノイズ低減を図る「AIR Recon DL」や,心臓MRIのシネ撮像を高速化する「Sonic DL」を発表してきた。ディープラーニングを用いたSonic DL in 3Dは,Sonic DLを発展させた技術であり,全身の3D撮像に適用することが可能となる。アクセラレーションを最大12倍加速でき,撮像時間を86%まで短縮が可能。一方で,画質は劣化することがなく,AIR Recon DLと併用することで,画質の改善と高速化を両立する。例えば,従来11分を要していた撮像時間を2分程度までに高速化を図れる。心臓も1心拍で撮像を行え,不整脈の被検者でアーチファクトを抑えた画像を取得可能なほか,自由呼吸下での検査も適用を拡大できる。被検者の負担を軽減するだけでなく,検査時間の短縮化により業務効率の向上や医療機関経営にも寄与する技術である。
このほか,MRIではモックアップとして,頭部専用の3T MRI「SIGNA MAGNUS」(W.I.P.)と「SIGNA Champion」を展示した。SIGNA MAGNUSは前回映像での参考展示であったが,その後510(k)の承認を取得。今回は,グラディエントコイルのレイアウトがわかるようにガントリをカットしたスケルトンモデル展示した。最大傾斜磁場強度(Gmax)が300mT/m,スリューレートが750T/m/sというハイスペックの高出力グラディエントコイルシステムを採用している。これによりディフュージョン撮像においても,最大4万のb値での撮像が可能。脳・中枢神経領域の研究機としてのニーズが想定される。
また,「SIGNA Champion」は,ガントリ開口径が70cmの1.5Tワイドボア装置。ガントリ前面の操作パネルの設計は日本の日野工場が担当しており,ユーザーフレンドリーなインターフェイスとなっている。Gmaxが35mT/m,スリューレートが140T/m/sというハイスペックを有している一方で,軽量なマグネットを採用し,消費ヘリウム量も従来機種の約70%削減できるランニングコストに優れた装置である。
ブースでは,これに組み合わせる「AIR Coils」のラインアップも紹介していた。