2024-12-3
「Vantage Galan 3T / Supreme Edition」と
1.5T「Vantage Fortian」の実機を展示
1.5Tと3T MRIの日本国内販売台数シェアが3年連続1位(2024年10月末同社調べ)となっているキヤノンメディカルシステムズは,3Tの「Vantage Galan 3T / Supreme Edition」と1.5TのDLR(Deep Learning Reconstruction)-MRI「Vantage Fortian」の実機を展示し,高シェア維持を支えるハード・ソフトの技術について,Vantage Galan 3T / Supreme Editionを中心に紹介した。
日本国内ではITEM 2024のタイミングで発売されたVantage Galan 3T / Supreme EditionがRSNA初披露となった。マグネットや傾斜磁場システムなどハードウエアを内製化するとともに,超解像画像再構成技術「Precise IQ Engine (PIQE)」などAI技術を活用したソフトウエアを実装することで,高精細化と撮像時間の短縮を両立している。新たなマグネットでは磁場均一性や最大FOVが向上し,約50cmの体軸方向FOVを実現,全身撮像においてはステーション数削減にもつながり検査時間を短縮できる。また,新しい傾斜磁場コイルにより画質が向上するほか,高速通信システム「Real-time Platform」により撮像中の変動のリアルタイム補正や再構成の高速化を果たしている。
PIQEは2つのディープラーニングによりノイズ低減と超解像の効果を得られる最新の画像再構成法で,FSE 2Dに適用することで下垂体柄などの微細構造や,小FOV撮像でも明瞭に描出できるほか,デノイズによりSNRを確保しコントラストも維持できることから,2D thin sliceでMPRも作成できる。また,FASE 2DにPIQE を応用することで,ブラーリングのない全脳のT2強調画像を5秒の短時間でスキャンできるなど,短時間化やモーションアーチファクト低減が可能で,救急や動きの影響がある領域に特に有用だ。
撮像中の変動磁場をリアルタイムにモニタリングし補正する技術を持つSkope社(2019年にグループ会社化)の技術を活用した「CG Recon」は,コイル塞栓術後評価などで高い有用性を示すUTE MRAに適用することで,描出能を落とすことなく課題であった撮像時間を大幅に短縮できることを紹介した。