2024-12-3
DLRと「INSTINX」を実装した新フラッグシップの
「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」
キヤノンメディカルシステムズのCTは,ブースの正面に2023年に発売した「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」と80列マルチスライスCT「Aquilion Serve SP」の実機を展示した。
Aquilion ONE / INSIGHT Editionは,ディープラーニングを用いて開発された超解像画像再構成技術「PIQE」などの画像再構成技術と,検査を自動化する技術「INSTINX」を搭載し,臨床的価値や経営的価値を引き上げるADCTの新たなフラッグシップモデル。最速0.24秒回転,開口径80cmのガントリを搭載し,心臓と胸腹部に対応するPIQEは再構成マトリックス1024の高解像度画像を提供する。低線量撮影を可能にするSilverBeam Filterも実装する。INSTINXは,ポジショニングからAnatomical Landmark Scanによる撮影範囲設定,後処理までを自動化することで,ワークフローステップを約40%,検査時間を約20%削減することができる。画質や操作性が評価され,放射線科医などの会員制Webサイト「AuntMinnie」で2024年のBest New Radiology Deviceに選ばれた。
一方,Aquilion Serve SPは,Aquilion ONE / INSIGHT Editionに搭載されているINSTINXワークフローやDLR(AiCE),SilverBeam Filter,オープンデザインなどを実装した機種。コンパクトかつ高い操作性の80列CTで,質の高い画像を提供する。
また,研究開発中のフォトンカウンティングCT(PCCT)は,初めて検出器モジュールの実物(一部)がお披露目された。日本を含む4施設で臨床評価が進められており,50を超える学術報告が出ている。検出器の素材にはテルル化亜鉛カドミウム(CZT)を採用。PCCTは非常に多くのデータ量を扱うことになるが,大量データのハンドリングはADCTや高精細CTの開発ですでに実現しており,これまでのCT開発で培ってきた技術の結晶とも言えるPCCTの実用化が待たれる。