2021-12-23
RSNA 2021 核医学
シーメンスの核医学では,半導体検出器搭載のPET・CT「Biograph Vision Quadra」(薬機法未承認)と,臨床応用に関するトピックスを紹介した。
Biograph Vision Quadraは,体軸方向106cmの視野を有し,頭頂部から大腿部までを1ベッドで撮像できる。シリコン光電子増倍素子(SiPM)を搭載したOptiso UDR検出器は,業界トップクラスとなる228psのtime-of flight(TOF)時間分解能を実現。TOFゲインは5.9倍となり高SNRを得られる。広い視野とTOFの組み合わせにより,「Biograph mCT」の40倍,「Biograph Vision 600」の10倍の実効感度を達成し,投与量の大幅な低減や撮像時間の短縮が可能になる。また,LSOクリスタルは3.2mm×3.2mm×20mmと小型で,これを100%カバーする検出器の配置とすることで高分解能を実現している。
このほか,トピックスとしてWhole-body Dynamic PETとMultiparametric PETを紹介した。短時間の全身撮像を繰り返すWhole-bodyDynamic PETでは,集積形状の経時的変化をとらえることで病的集積と生理的集積を区別することができる。また,従来のSUV画像が投与されたFDGからの放射線と細胞内で6-リン酸化しトラップされたFDG(FDG6P)からの放射線を合算した画像であるのに対し,Multiparametric PETではFDGとFDG6Pを個別に画像化でき,より一歩進んだ診断が可能になると期待される。