2022-1-14
RSNA2021 超音波
●DeepInsight
富士フイルムヘルスケアは,RSNA 2021 開催中の11月29日(日本時間)に,「Fujifilm Healthcare PremiumWebinar 2021」を開催し,AI 技術を活用した超音波画像の新たなデノイズ技術として“DeepInsight”を発表した。DeepInsight は,“Deep(深部)”と“Insight(洞察)”を組み合わせた造語であり,超音波の深部画像に発生するノイズを取り除き,クリアな視野を提供する技術である。Webinarでは,DeepInsightの技術的なポイントに加え,同社代表取締役社長の山本章雄氏やDeepInsight の開発者である石原千鶴枝氏のコメントやユーザーからの期待の声を紹介した。
超音波を体内に送信し,組織からのエコー信号を画像化する超音波診断装置では,エコー信号以外の電気ノイズを取り除くことが重要となる。同時に,エコー信号に含まれるスペックル信号は,組織の微細な情報を表現する重要な情報となるが,スペックル信号は画像上の特徴が電気ノイズと似ているため両者を区別することが,超音波の画質の向上のために求められていた。
DeepInsightでは,特徴の似ているスペックル信号と電気ノイズを区別するために,映像化処理する前のエコー信号のデータ(raw データ)に着目した。rawデータに対して,AI技術を活用してノイズを除去する処理を行うことで,両者の信号を高い精度で区別できるようになり,電気ノイズだけを効果的に除去することが可能になった。また,超音波検査に求められるリアルタイム性も,AI技術を活用して処理プロセスを最適化してノイズ除去との両立を実現した。これによって,AI技術を活用し正確性,再現性,効率性,視認性に優れた超音波画像の取得を可能にする。
●ARIETTAシリーズ
FUJIFILM Healthcare Americas(富士フイルムヘルスケア)の「ARIETTA 750」シリーズは,プレミアムクラスの「ARIETTA 850」の高画質化技術を引き継ぐと同時に,ユーザーのニーズに合わせた機能を搭載した機種を用意したモデル。高画質コンセプトの“Pure Image”を継承し,浅部から深部までオートフォーカスを実現する超音波送受信技術“eFocusing”や,腫瘤など組織辺縁を強調して視認性を向上させる“Carving Imaging”を搭載する。検査を支援するアプリケーションとして,剪断波を計測して肝臓の硬さを推定し線維化の進行度を評価する“SWM(Shear Wave Measurement)”などを利用できる。また,「ARIETTA 65」シリーズは,上位機種で培った画像処理技術やアプリケーションを搭載しながら,コンパクトな筐体と人間工学に基づいたデザインで,検査環境やワークフローの向上にも貢献する普及機クラスのモデルである。