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RSNA2020 DXで医療の未来を創造するシーメンス  顧客の価値向上を実現するソリューションを3つのコンテンツで提案

2021-1-22

Siemens Healthineersブース

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによりバーチャルミーティングとなったRSNA 2020。Siemens Healthineers(シーメンス)は,11月17日に“Shape 21 Experience”と題したサイトを開設し,その中でRSNA 2020の開催に合わせてバーチャルブースを展開した。そこで,バーチャルブースツアーとして,デジタルトランスフォーメーション(DX)によって医療が抱える課題を解決し,すべての患者が質の高い医療を受けられる未来をめざすシーメンスの最新モダリティとテクノロジーを紹介する。

“Highlights” “Clinical Pathways” “Solutions”の3コンテンツ

シーメンスでは現在,「プレシジョン・メディシンの拡充」「医療サービス提供の変革」「ペイシェント・エクスペリエンスの向上」「医療デジタル化の推進」の4テーマの実現を進め,顧客の価値向上に取り組んでいる。
RSNA 2020のバーチャルブースでは,“Highlights” “Clinical Pathways” “Solutions”の3コンテンツに分けて展示を構成。Highlightsでは,上記4テーマに加え,“The future of healthcare”と題し,シーメンスがめざす未来の医療の姿を示した。また,Clinical Pathwaysでは,COVID-19,乳がん,肺がん,脳卒中の疾患別に,診療の流れに沿ってシーメンスの技術を紹介。Solutionsでは,モダリティのカテゴリごとに新製品・技術をPRした。

Digital & Imaging IT:デジタライゼーションによる意思決定支援

オペレーションによる意思決定支援ソリューションとして,クラウドサービス「teamplay」を紹介した。teamplayで提供されるアプリケーションを活用することで,ワークフローの標準化による効率化や業務改善,被ばく線量管理などのデータによる課題の可視化,分析が可能となる。
また,2つめのソリューションとしては,人工知能(AI)技術を用いた診断・治療支援をアピールした。AI技術の診断支援プラットフォーム「AI-Rad Companion」のアプリケーションには,“Chest CT” “Brain MR” “Prostate MR for Biopsy Support” “Chest X-ray” “Organs RT”がある。このほか,治療方針の決定を支援する「AI-Pathway Companion」も展開している(図1)。
3つめとして,医療従事者間,あるいは医療従事者と患者の情報共有を促進する「eHealth」ソリューションも紹介した。ほかにも,スマートフォンやウエアラブルデバイスから患者のデータを取得し,診療をマネジメントできる「teamplay myCare Companion」,遠隔地から検査業務をサポートできる「syngo Virtual Cockpit」,PACSの画像やAIアプリケーションの解析結果,レポートなどの情報を統合管理できる「Syngo Carbon」をPRした。

図1 治療方針の決定を支援する「AI-Pathway Companion」

図1 治療方針の決定を支援する「AI-Pathway Companion」

 

CT:“myExam Companion”による撮影の自動化

新たなハードウエアとしては,ポイントオブケアに注目した移動可能な超小型CT「SOMATOM On.site」(薬機法未承認)を展示した。頭部専用のCTで,ICU などでの利用を想定しており,患者をCT 室に移動させることなく撮影を行え,感染症や合併症のリスクを低減できる。
また,日本でも2020年4月に発表した「SOMATOM X.cite」も紹介した(図2)。最大の特徴は,AI技術を用いて撮影プロトコールを含む検査全体を自動化できるmyExam Companionを搭載したこと。心臓CTでの心電図同期撮影では,不整脈の有無や心拍数を計測して,プロトコールや画像再構成を装置が自動設定する。
Clinical Pathwaysの肺がん分野に関しては,“Tin filter technology”を活用した超低線量撮影による早期発見,AI-Rad Companionの診断支援,そして放射線治療計画時の呼吸性移動によるモーションアーチファクトを低減する“Direct i4D”といったように,診療の流れに沿って独自技術をPRした。

図2 “myExam Companion”搭載の「SOMATOM X.cite」

図2 “myExam Companion”搭載の「SOMATOM X.cite」

 

Image-Guided Therapy:ロボティックIVRを実現する「CorPath GRX」

Image-Guided Therapyの新製品として,ミドルレンジの外科用X線撮影装置「Cios Flow」(薬機法未承認)を発表した。Ciosファミリーの優れた設計・デザインを踏襲しており,Cアームの内径は73cmを確保。80.3cmのフリースペースを実現している。
また,血管撮影装置,CT,MRIを組み合わせた治療支援のコンセプトである「Nexaris Therapy Suites」として,「Nexaris Angio-MR-CT」を紹介した。新たにMRI用の寝台が追加されたことや,MRIが「MAGNETOM Vida」,または「MAGNETOM Sola」に変更されたこと,頭部手術用クランプが新しくなったことなどをアナウンスした。
さらに,IVR関連では,2019年のRSNAで登場したロボットシステムCorPath GRXを用いた治療をPRした(図3)。

図3 ロボット支援下治療を可能にする「CorPath GRX」

図3 ロボット支援下治療を可能にする「CorPath GRX」

 

Ultrasound:新型プローブにより深部まで明瞭に描出支援

ハイエンドモデル「ACUSON Sequoia」は,新バージョンが登場。プローブのラインアップを強化した。新たに使用可能となるのは,リニア用の「7L2」と体腔内用の「9VE4」(いずれも薬機法未承認)。さらに,米国や欧州などで増加する肥満者の検査において,深部まで明瞭に描出することが可能な「Deep Abdominal Transducer(DAX)」も発表した。通常のプローブの約2倍となる接触面積を持ち,受信感度を高めている。同様にリニア用プローブの7L2も最大深度20cmを実現している。このほか,新バージョンは深度によってカラードプラ情報を取得する周波数を自動的に変更する“Dynamic MultiHertz Technology”を採用した。

MI:Whole body dynamic PETの有用性をアピール

核医学に関しては,速度可変型寝台連続移動技術“FlowMotion”を用いたwhole body dynamic PETをアピールした(図4)。短時間での撮像を複数回繰り返し行いデータを加算。放射性薬剤の集積形状の視覚的な変化を観察でき,病的集積と生理学的集積を区別できるようになる。
ほかに,半導体検出器搭載の「Biograph Vision」や骨シンチグラフィの新しい画像再構成技術“xSPECT Bone”,PET/CTでの外部デバイスを用いず撮像時間延長不要で呼吸同期撮像が可能な体動補正技術“OncoFreeze”,パラメトリックPETも紹介した。また,体軸方向106cmを同時に撮像可能なPET/CT「Biograph Vision Quadra」(薬機法未承認)を発表した。

図4 Whole body dynamic PETを可能にした「Biograph Vision」

図4 Whole body dynamic PETを可能にした「Biograph Vision」

 

XP:“SMART solutions”搭載「LUMINOS Lotus Max」

一般撮影と透視機能が一体型となったLUMINOS Lotus Max(薬機法未承認)は,操作性やワークフローを向上するSMART solutionsを搭載(図5)。その一つ“SmartMove”機能は,スピーディに寝台を目的の位置に設定できる。また,“SmartTouch”は,ジョイスティック操作での安全性を高める。フットスイッチの“SmartStepOn”は,10m離れた場所からワイヤレスでの操作が可能である。また,一般撮影装置では,「MULTIX Impact」(薬機法未承認)に,天吊り式のX線管を採用した「MULTIX Impact C」を追加した。
このほか,マンモグラフィ「MAMMOMAT Revelation」は,新バージョンのVC20を発表した。トモシンセシス画像から2D画像を再構成する“Insight 2D”を改良している。

図5 “SMART solutions”搭載「LUMINOS Lotus Max」(薬機法未承認)

図5 “SMART solutions”搭載「LUMINOS Lotus Max」(薬機法未承認)

 

MRI:デジタライゼーションによりMRIの可能性を広げた“Deep Resolve”「MAGNETOM Free.Max」

Deep Resolveはdeep learning reconstructionを用いた画像再構成技術で,ノイズを除去し,SNRの高い画像を取得できる。また,ノイズを除去し,低分解能画像から高分解能画像を生成することも可能になる。既存の装置を含め,多くの装置に搭載可能となった。
MAGNETOM Free.MaxはHigh-V MRIと呼ばれる技術コンセプトから生まれた最新装置(薬機法未承認)(図6)。コンピュータの性能向上,撮像技術の進化,AIを用いた画像再構成によって,従来の被検者の制限を減らし,対象外であった検査を可能にする。0.55Tという磁場強度を生かし,1.5T装置では対象外だった肺野の検査や,磁化率の影響を抑え,歪みを抑えた画像を得ることができる。ガントリの開口径は80cm で,大きな体格の被検者に対する検査の適応を拡大。装置の設置条件も, 設置面積23m2,床の荷重3.2t未満,搬入時の天井高2m未満で,省スペース化,軽量化を実現している。また,“DryCool technology”により,必要なヘリウム量を0.7Lに抑えている。さらに,Deep Resolveやcompressed sensingを含めた高速撮像も可能で,SNRや撮像時間の問題も解決している。

図6 High-V MRI「MAGNETOM Free.Max」(薬機法未承認)

図6 High-V MRI「MAGNETOM Free.Max」(薬機法未承認)

 

(文責・編集部)

 

●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア(株)
TEL 0120-041-387
https://www.siemens-healthineers.com/jp/