2018-11-29
新製品の「DigitalDiagnost C90」(FDA未承認,国内薬機法未承認)
RSNA 2018 X-ray
Philips(フィリップス)のX-rayは,新しいデジタルX線一般撮影装置「DigitalDiagnost C90」(FDA未承認,国内薬機法未承認)をトピックとして紹介した。従来システムから大きく変わったのは,X線管のコリメータ部分にカメラが搭載され,被検者のポジショニングをライブカメラ映像で確認できるようになった点だ。映像はX線管搭載のモニタやコンソールモニタに表示され,位置決め撮影なしに被検者のポジショニングを行うことができる。また,X線管に搭載されたタッチパネルモニタでは,患者データや検査内容の確認だけでなく,フィルタの切り替えや管電圧・管電流の変更も可能。モニタは12.1インチと大きいため,撮影後に表示される確認画像の視認性も高い。X線管とディテクタの自動連動や,片手で容易に操作できるX線管などとあわせ,検査ワークフローの向上が図られている。
コンソールの「Eleva Workspot」も新しくなり,高分解能2Kモニタが搭載された。画像処理技術も,マルチ周波数処理技術“UNIQUE(UNified Image QUality Enhancement)”が“UNIQUE 2”へと進化。ノイズ低減やディテールの強調,高コントラスト,低被ばく撮影が特徴で,診断に有用な高画質画像を提供する。
DigitalDiagnost C90には,以前より研究が進められていた骨抜きの画像処理アプリケーション“Bone Suppression”(国内薬機法未承認)も搭載可能となる。Bone Suppression画像では,肺野の病変検出率が16.8%向上するとの研究結果も報告されており*,診断能向上に寄与することが期待される。
* Freedman, M., et al.:Lung nodule;Improved detection with software that suppresses the rib and clavicle on chest radiographs. Radiology. 260・1, 265~273, 2011.
IGTのコーナーでは,血管撮影装置プラットフォーム「Azurion」のシングルプレーンの実機を展示し,特徴である低被ばくと高画質の両立,ワークフロー改善,カテーテル室のパフォーマンス向上をアピールした。日本国内でもバイプレーンモデルの出荷が始まり,数十サイトでAzurionが稼働。脳神経領域や心臓領域で高い評価を得ているという。運用システム“コネクトOS”や58インチの大型液晶モニタ“FlexVision”,操作室コンソール,テーブルサイドモジュールなどを統合することで,手技を強力にサポートする。展示では,ベッドサイドのタッチパネルモジュールに滅菌カバーを装着し,術者が直接操作できるメリットを紹介。また,X線画像を収集しながら,操作室で画像処理などを並行して進められる“インスタントパラレルワーキング機能”や,あらかじめ検査の撮影条件や画質,映像信号の種類やレイアウトなどを設定した“カード”を登録しておき,それを選択するだけでセットアップが可能な“プロシージャーカード機能”により,全体の手技時間を短縮できることをアナウンスした。