2018-11-29
X線動画撮影システムを“X-Ray in Motion”
というコンセプトで展示
RSNA 2018 X-ray
Konica Minolta Healthcare Americas, Inc.(コニカミノルタ)のX-rayは,日本国内でRSNA2018直前の2018年11月に発売したデジタルX線動画撮影システムを,米国向けに“X-Ray in Motion”というコンセプトでアピールした(FDA未承認)。日本では,X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」と第3世代のワイヤレスDR「AeroDR fine」(米国での販売名「AeroDR HD」)で構成され,一般X線撮影装置には島津社製の診断用一般X線撮影装置「RADspeed Pro」を採用している。秒間15フレームのパルス照射により撮影データを取得し,アニメーションの要領で動画像として表示する。これまでDRで培ってきた技術を応用し,単純な動画像だけでなく,周波数強調処理やBone Suppression(肋骨減弱)処理を施した動画像も提供でき,腫瘤や血管の視認性が向上する。また,特定成分追跡処理により横隔膜を自動認識して,その動きをグラフで表現することで定量化する機能を備え,COPDなど疾患の病態把握を支援する。さらに,診断や評価に用いやすい情報として,動画像だけでなく,静止画や各種処理画像,グラフを1画面に表示するなど,情報をサマライズしてわかりやすく提示するモードも複数用意されている。
被ばく線量は,15秒の撮影で約1.7mGy(胸部単純撮影の4~5倍)で,CTと比べて低侵襲,低コストな検査であり,静止画以上の情報を提供することで,スクリーニングの除外診断への貢献など,臨床応用を模索していく。
米国では,2015年に買収したViztek社の撮影システムを小規模病院や整形外科クリニックをメインターゲットとして展開している。米国国内においては,透視装置を用いて整形外科で動画を撮影するケースが多いことから,デジタルX線動画撮影システムは,日本と同様に島津社製一般X線撮影装置と組み合わせて胸部領域向けに展開していくことに加え,Viztek社のシステムとAeroDR HDを組み合わせ,整形領域向けに展開することも予定している。
また,日本でAeroDRのリモートメンテナンスサービスとして展開している「AeroRemote」は,米国ではAeroDRから検査・撮影データを集約し,稼働状況や検査内容,写損の状況などをグラフやレポートでユーザーに提示して業務改善や経営分析を支援する「AeroRemote Insights」(日本未展開)も展開しており,その最新機能がデモ展示された。米国国内では,病院のグループ化が進んでいることから,グループ内の複数施設の状況を一元管理したり,技師ごとに業務の状況や内容を把握したりすることができる。ダッシュボードは見やすさ,わかりやすさを重視したデザインを採用。例えば写損率の多い部位を一目で把握できるように,写損率を人体イラスト上にヒートマップで示すなど工夫が施されている。米国内では約600施設にAeroRemoteが導入されており,AeroRemote Insightsではベンチマーク分析も可能となっている。
X線事業の基軸でもあるAeroDRは,最新モデルのAeroDR HD(AeroDR fine)のフルラインアップや,コンソールの「CS 7」,画像処理エンジン“REALISM”の最新技術がPRされた。