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RSNA2018 GEヘルスケア - CT “Edison”プラットフォームの画像再構成法“True Fidelity Image”や新型管球搭載CTを技術展示

2018-11-27

参考展示した「Revolution Apex」(W.I.P.)

参考展示した「Revolution Apex」(W.I.P.)

RSNA 2018 CT

CT開発で40年以上の歴史を持つGE Healthcare(GEヘルスケア)であるが,今回のRSNAでは,同社のCTの中でもエポックメイキングな技術が登場した。技術展示として参考出品した「Revolution Apex」(W.I.P.)には,その新しい技術が搭載されている。160mmのワイドカバレッジと1300mAという高出力を誇っているが,これを実現するのが新開発のX線管球「Quantix160 Tube」(日本国内薬機法未承認)だ。ワイドカバレッジと高出力の2つの技術を同時に実現した世界初のX線管球と言えるQuantix160 Tubeは,従来と大幅に異なる設計がなされた。陰極側は内部構造を一新して,一般的なフィラメント構造を廃してフラットエミッタにすることで表面積を4倍拡大。これにより,高線量でも効率良く熱を放出する。一方,陽極側も設計を見直すことで,高線量を出しつつ,ヒール効果を抑えてX線束を均一にするように調整した。加えて,ベアリングは,耐熱性を高めるために,これまでのボールベアリングの代わりに,軸にスリットを入れ液体金属を流す構造を採用した。この技術により,X線管球の寿命も延ばすことが可能となり,高い信頼性を実現した。

参考展示した「Revolution Apex」(W.I.P.)

参考展示した「Revolution Apex」(W.I.P.)

 

Revolution Apexに搭載された新型X線管球「Quantix160 Tube」

Revolution Apexに搭載された新型X線管球「Quantix160 Tube」

 

さらに,Revolution Apexには,GEヘルスケアのAIプラットホームである“Edison”を用いた最新の画像再構成技術“True Fidelity Image”が搭載される。GEヘルスケアは40年以上のCT開発の歴史の中で,FBP法や逐次近似応用再構成法の“ASiR”と“ASiR-V”といった画像再構成技術を世に送り出してきた。しかし,FBP法は低線量時にノイズやアーチファクトが発生し,また,逐次近似応用再構成法は読影医にとって見慣れないプラスチックライクの画像となってしまうという問題があった。そこで,GEヘルスケアでは,ノイズを抑えつつ読影医にとって見慣れた画質を得られることを開発目標に設定。ディープラーニングを用いて画像処理を行うことで,ノイズとアーチファクトを低減し良好な画像を得られるようにした。True Fidelity Imageは,まずはハイエンドクラスのRevolution Apexに搭載されるが,技術的には下位機種にも搭載可能である。

“Edison”プラットホームの画像再構成技術“True Fidelity Image”

“Edison”プラットホームの画像再構成技術“True Fidelity Image”

 

CTのコーナーでは,このほかに新製品「Revolution EVO Gen 2」が展示された。ハードウエアは従来のRevolution EVOから変更はないが,新たに“Smart Subscription”というソフトウエアを搭載。従来,CTは導入後に新技術が登場することで陳腐化してしまっていたが,Smart Subscriptionによって,ユーザーは常に最新のアプリケーションをダウンロードして利用できるようになる。今回の展示では,循環器領域向けとして,モーションアーチファクトを抑える“SnapShot Freeze”の最新バージョンが利用できると紹介していた。最新バージョンでは,従来の冠動脈に加え,心筋や弁のモーションアーチファクトを抑えた高精度画像を描出する。また,脳神経領域向けには,血流評価を迅速に行える“FastStroke”の搭載をアナウンスしていた。常に最新のCTと同様の環境で長期間CTを使用できることは医療機関経営の観点からもメリットは大きいと言える。
このほか,ハイエンド装置の「Revolution CT」の展示も行った。ルーチンのdual energy imagingを可能にする“GSI Xtream”が搭載されている。

“Smart Subscription”によって装置の陳腐化を防ぐ「Revolution EVO Gen 2」

“Smart Subscription”によって装置の陳腐化を防ぐ「Revolution EVO Gen 2」

 

ハイエンド装置の「Revolution CT」

ハイエンド装置の「Revolution CT」


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