2015-12-3
冠動脈サブトラクションにより,
内腔境界の視認性が向上(CT冠動脈比較解析)
RSNA 2015[第1日目:11月29日]
Ziosoft/Qi Imaging(ザイオソフト)では,Ziostation2の次期バージョンのリリースを近日予定している。ブースでは,従来からある心臓,頭部,肺領域のアプリケーションにおいて,強化・改良が図られている機能をアピールした。
●CT冠動脈石灰化サブトラクション:CT冠動脈比較解析
サブトラクション前後の画像を比較したいとのユーザーの要望を受け,冠動脈に特化させたプロトコール「CT冠動脈比較解析」を開発した。冠動脈解析のUIを継承しているため,既存ユーザーも容易に操作できる。非剛体位置合わせにより,造影前後画像の位置情報を高精度に合わせることができるため,サブトラクション前後の画像を比較しやすく,CPRやアンギオグラフィックビューでの評価を同時に行える。また,サブトラクション前後のどちらか一方で血管パスを引くと他方に反映されるため,精度と作業効率の向上に貢献する。短軸像では,石灰化の境界面を判別しやすくなり,石灰化部とその前後の3点を計測することで狭窄率も計測できる。
|
|
●MR心筋T1マッピング:複数断面対応,非剛体位置合わせ機能
MR心筋T1マッピングでは,新たに2つの機能が追加される。「複数断面対応」は,複数断面のT1マッピングデータが取得できるようになったことに応じて追加される。また,従来は心筋の内膜側,外膜側のROI設定を,造影前後でそれぞれ行う必要があったが,「非剛体位置合わせ機能」の追加により一方でROIを設定すると,もう一方に自動でROIが反映されるようになり,操作者による誤差を排除できる。
|
●頭部MRA解析:頭部MRA抽出機能
検査件数の多い頭部MRAの画像処理の省力化をめざし,「頭部MRA抽出機能」が追加される。元画像を読み込んだ後,自動抽出ボタンのワンクリックで,脳,前方循環,後大脳動脈の3つの画像を抽出する。自動前処理機能の設定も可能である。
|
|
|
●3D解析,肺切除解析:肺動静脈の抽出精度の向上
3D解析と肺切除解析に搭載されている「肺動静脈抽出機能」の精度向上が図られている。肺動脈,肺静脈が末梢まで濃染されているデータを読み込むと,自動で肺動静脈が分離される。施設によっては,抽出のために動脈相と静脈相を別々に撮影するなど工夫を行ってきたが,この機能向上により1回の撮影で対応できるため,撮影回数の低減も期待できる。
|
|
●自動抽出機能:腎臓抽出
自動抽出機能に腎臓抽出を追加している。多発性嚢胞腎治療薬「サムスカ錠」(大塚製薬)の適用において,腎臓体積が条件となっていることから,従来はマニュアルで行っていた腎臓抽出が自動化された。非造影の単純CT画像上で,腎臓を指定するだけで自動で抽出され,体積の計測結果も表示される。
|