2015-12-2
世界展開を始めた
「Aquilion ONE/ViSION FIRST Edition」
RSNA 2015[第2日目:11月30日]
CTの展示コーナーでは,今回,最新の逐次近似画像再構成法である“FIRST”を搭載した「Aquilion ONE/ViSION FIRST Edition」を米国で初披露した。併せて,16列32スライスCTの上位機種に位置づけられる「Aquilion Lightning」もRSNAに初お目見えした。
日本国内ではJRC2015直前に発表されたAquilion ONE/ViSION FIRST Editionは,ADCTの最上位機種に位置づけられる。その最大の特長は,順投影適用モデルベース逐次近似画像再構成法であるFIRSTを搭載したことである。このFIRSTは正確な画像再構成を行うことで,空間分解能を向上し,ボケも改善する。従来のFBP法のように再構成関数を用いないため,オブジェクト辺縁のアンダーシュート,オーバーシュートを抑えた高画質を実現している。また,コントラストを維持しつつノイズが低減できることから,低コントラスト検出能が向上する。被ばく低減についても,FBP法と同等の画質であれば,さらに低い線量での撮影が可能である。従来,逐次近似画像再構成法は処理時間が長く臨床応用は難しかったが,FIRSTでは320列の1ボリューム撮影ならば3分程度で画像が得られる高速処理を実現。専用の画像再構成システムを別のユニットで設けることで,AIDR 3Dと並列して画像処理を行い,検査後すぐにAIDR 3Dの画像を確認して,そのすぐ後にFIRSTの画像処理が完了するようにした。これにより,ワークフローの効率を下げることなく,診断に有用な画像を提供できる。さらに,別ユニット化したことにより,アップグレードにも対応できるようにした。このほか,複数のパラメータの中から領域ごとに最適なものを選んで設定できる。
もう1台展示されたAquilion Lightningは,最新の検出器である“PUREViSION Detector”を採用している。PUREViSION Detectorは,電気ノイズの低減などにより高画質を実現し,AIDR 3Dとの組み合わせにより低線量でも,診断に役立つ情報を提供できる。さらに,金属アーチファクトを低減する“SEMAR”を搭載した。また,ガントリの開口径が780mmという広さを確保しつつ,最小設置面積は9.8m2というコンパクト化を図っている。これにより,既存の装置からのリプレースも容易である。
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