2015-12-2
最新バージョンの“syngo MR E11”から
Neuro領域を中心に紹介
RSNA 2015[第1日目:11月29日]
MRIでは,3Tの「MAGNETOM Skyra」と新バージョンとなったMR-PETの「Biograph mMR」が展示された。MAGNETOM Skyraは,外観デザインに変更が加えられ,ハニカム構造を表す正六角形を組み合わせた模様が施された。ハニカムデザインは,MRIがさまざまな技術の集積によって成り立っていることを表しているという。
ブースでは,MRIの最新ソフトウエアバージョンである“syngo MR E11”の新しいアプリケーションを中心に紹介された。RSNA2014では腹部領域のアプリケーションに焦点をあて,肝臓の“FREEZEit”や前立腺の“SEEit”などが紹介されたが,今年のブースではMRIの本流とも言えるNeurology(脳神経)領域のアプリケーションとして,“Simultaneous Multi-Slice(SMS)”と“GOBrain”がフィーチャーされた。
SMSは,MRトラクトグラフィの撮像において,複数断面を同時収集することでスキャン時間を短縮しながら,SNRの高い画像の収集を可能にする。これまでテンソル画像を作成するには,神経線維の走向に合わせて撮像する必要があり,より細かく描出しようとすればするほど,長いスキャン時間がかかっていた。複数断面を同時に得る技術としてはMulti-Band EPIがあるが,SMSではシーメンス独自の“blipped CAIPIRINHA”を使うことで,高いSNRでのデータ収集が可能になった。SMSによってトラクトグラフィのほか,ディフュージョンやfMRI,BOLDイメージングへの応用も期待される。トラクトグラフィ撮像では,従来の68%以上のスキャン時間の短縮が可能になる。
GOBrainは,シーメンスの持つ多チャンネルコイルであるTim 4G コイルと撮像ワークフローを支援するDotGoを有機的に組み合わせることで,脳神経領域に必要な撮像やシーケンスをワンボタンで可能にする。スクリーニング検査や精査といった目的ごとに,一連の検査を5分で終了するように設定できる。
2012年に発表されたMR-PETのBiograph mMRは,MR部分が刷新されバージョンアップした。MRの最新バージョンのE11のさまざまなアプリケーションが利用できる。PETの胸部の撮像では,呼吸によるモーションアーチファクトが課題だったが,Biograph mMRでは,MRIの呼吸同期のデータをPETデータの収集の際に利用することで高精度の体動補正が可能になり,シャープなPET画像を収集することが可能になった。また,MRのデータを使った減弱補正では,補正のためのコンポーネントモデルを骨などを含めて5つに増やすことで,より精度の高い減弱補正マップが作成できる。
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