2015-12-2
大幅に臨床機能を強化した「ARIETTA」
RSNA 2015[第1日目:11月29日]
USエリアは,放射線,乳腺・産婦人科,循環器科,泌尿器科と領域別に装置を提案する展示を行った。大きなトピックスとして,日本国内では2015年11月にリリースされたばかりの,大幅に臨床機能を強化した「ARIETTA」の新バージョンNext Solutionsで利用できるアプリケーション・新機能を紹介した。
“3D Sim-Navigator”(FDA未承認)は,CTやMRIなどのボリュームデータを取り込み,超音波画面と同一断面のMPR画像をリアルタイムに同期表示する技術“RVS”の新しいアプリケーションである。バイポーラ電極針によるRFAにおいて,2D/3D画像の表示や針間距離の計測により,電極針穿刺のシミュレーションとナビゲーションを可能にする。
また,信頼性指標機能を搭載した“Shear Wave Measurement”(FDA未承認)を初展示。組織の硬さを評価する技術としては,相対的な組織の歪みをカラーマップで示す“Real-time Tissue Elastography(RTE)”が従来からあるが,これに加えて,剪断波の伝播速度を計測して数値化するShear Wave Measurement(SWM)が利用できることで,2つの方法でより高い診断能を得られる。また,RTEも改良され,プローブを押し当てることなく,不随意運動の振動だけで画像を描出することが可能になった。
また,自社開発製品単体での展開だけでなく,市場ニーズに応える装置を持つ企業とアライアンスを結ぶことで,より臨床価値の高いソリューションを提供するビジネスを,アメリカ現地法人で開始している。今回,小型装置「Noblus」と組み合わせて展開するソリューションとして,乳腺専用超音波システムWhole-Breast Ultrasound「Sofia」(iVu Imaging社)と,前立腺ターゲット穿刺システム「Artemis」(eigem社)を展示した(ともに日本国内未発売)。Sofiaは,近年,アメリカでも乳がん検査の課題として注目されるデンスブレストに対するアプローチとして,短時間で定量性のある超音波検査を可能にするシステム。検査ベッドに腹臥位となり,ホールに下垂した乳房の周りをプローブが回転することで片側52秒でスキャンでき,被検者の負担も少ない。リアルタイムの超音波画像の観察とともに,専用ワークステーションではCプレーン画像を再構成できるほか,マンモグラフィやMR画像も表示して比較観察ができる。Noblusとの組み合わせにより,Sofiaによる検査で所見が見つかれば,そのまま仰向けになり,Noblusで局所を詳細に観察することができる。Artemisは,超音波画像とMRIをフュージョンすることで確実な前立腺バイオプシーを支援するシステムで,すでにアメリカ国内で高く評価されている。Noblusの高い画質性能と組み合わせて提供することで,さらに臨床価値を高めていく。
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