2015-11-30
自走式のCアームを持つ「Discovery IGS 740」
RSNA 2015[第1日目:11月29日]
インターベンション関連の展示では,ハードウエアとして血管撮影装置のハイエンド機種「Discovery IGS 740」が展示された。FPDのサイズは,40cm×40cmで,腹部をはじめ幅広い領域で利用できる。天井レールが不要な自走式のCアーム装置を採用したことで,Cアームが滑らかに床の上を移動。天井のレールが不要なため,手術室天井のHEPAフィルタを遮ることもなく,清潔な環境を維持できる。また,寝台のまわりに装置や器具が置かれているような場合でも,それを回避して頭部側斜め方向にアームを移動できるので患者へのアクセスも容易になり,術者の手技を支援する。さらに,CアームのX線発生装置とFPDの間の空間も広くなっており,手技の妨げにならず,大きな体格の患者にも対応できる。
近年,経皮的大動脈弁置換術(TAVI)が保険適用となり,ハイブリッド手術室のニーズが高まっているが,自走式Cアームにより安全性と操作性に優れたDiscovery IGS 740は,それに最適化した装置だと言える。TAVI用のアプリ-ションも用意されており,血管などをラベリングして手術のプランニングを行うことなどができる。このほか,Discovery IGS 740のアプリケーションとしては,CTと血管撮影画像を正面と側面方向から位置合わせしてフュージョンする“BI-View”,フュージョンでCT画像の血管の輪郭だけを表示する“Outline”などがある。
一般撮影装置では,「Discovery XR656」に新バージョンとなる「Discovery XR656 Plus」の開発がアナウンスされ,モニタ上でのデモンストレーションが行われた。撮影モードの取り込みや線量管理など,撮影に関する操作を完全自動化して,検査者の負担を軽減する。日本では2016年の早い段階で発売される予定である。
マンモグラフィは,1施設内で検査から診断をまでを短期間で行う“One Stop Clinic”というコンセプトに基づき,乳房専用超音波診断装置「Invenia ABUS」などとともに,紹介された。展示された装置はトモシンセシス機能である“SenoClaire”に対応した「Senographe Essential」。従来のマンモグラフィと同等の線量で,被検者に負担のかけない検査が可能である。また,トモシンセシスと造影マンモグラフィ,Invenia ABUSの超音波画像を並べて表示して,同期させながら観察できるようになった「IDIワークステーション」もデモンストレーションが行われた。
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