2013-12-3
世界最高の画像診断装置に選出された
Aquilion ONE/ViSION Edition
RSNA 2013 [第2日:12月2日(月)]
Toshiba Medical Systems(東芝メディカルシステムズ)のCTコーナーでは,今回2機種が展示された。ツートップとも言えるArea Detector CTの「Aquilion ONE/ViSION Edition」と80列160スライスの「Aquilion PRIME」である。両機種ともに日本ではすでに発売されているが,Aquilion PRIMEは2013年4月にフルモデルチェンジされてから,RSNAでは初の展示となる。
2012年6月に日本国内で発表され,昨年のRSNA 2012でも話題を呼んだ,第二世代のADCT,Aquilion ONE/ViSION Editionは,78cmの開口径を持ち,ガントリの回転速度が0.275s/rotとなり,0.35s/rotからさらに高速化された。X線管の最大出力が900mAとなったことに加え,DASも新開発され,データ収集は1秒間で2910viewとなっている。当然ながら,画像ノイズを最大50%,被ばく線量を最大75%低減できる逐次近似画像再構成法を応用した被ばく低減技術“AIDR 3D”を搭載している。世界各国の放射線科医・診療放射線技師が参加する会員制WebサイトAuntMinnie(http://www.auntminnie.com )において,2013年の「世界最高の画像診断装置」に選出された。
今回のRSNA 2013では,この世界最高の画像診断装置であるAquilion ONE/ViSION Editionのソフトウエアのバージョンが6.0となり,“Frontier Suite”と呼ばれるアプリケーションが搭載された。その1つが“SURE Subtraction”。これは造影画像から非造影画像をサブトラクションし,血管などヨード画像を得るといったことが可能になる。非線形位置合わせによる高精度のサブトラクションを,頭頸部,骨,冠動脈,肺のそれぞれの部位で最適化して行える(冠動脈はW.I.P.)。もう1つは“SURE Cardio Prospective”で,心臓CTA検査において,不整脈によるエラーを自動的に回避して,1心拍での撮影を行うものである。また,金属アーチファクトを低減するMAR(Metal Artifact Reduction)も搭載された。これは国内ではSEMAR(Single Energy Metal Artifact Reduction)と呼ばれるもので,single energyのraw dataを用い,整形や頭頸部,腹部などにおいてアーチファクトを低減する。さらに,“Raw data base Dual Energy”は,raw dataベースで画像処理することで,仮想単色X線画像や実効原子番号,電子密度測定が可能になる。
フルモデルチェンジされたAquilion PRIMEは,究極のヘリカルスキャナーとしてハードウエアの設計を一新。新プラットフォームの採用により,体積を34%,重量を28%カットし,ガントリのサイズが215cm(W)×87cm(D)×187cm(H)とコンパクト化された。これにより,最小設置面積が寝台のタイプにより異なるものの米国では16.8m2,日本では14.8m2となっている。ガントリの開口径は78cmで,寝台は8.4cm左右に動く。また,寝台が低く,被検者の乗降やセッティングが容易である。一方,スキャンプロトコールも豊富で,Dynamic Helical Scan vHP(バリアブルヘリカルピッチ)などが可能。画像再構成は60fpsという高速度を実現している。もちろんAIDR 3Dも標準で搭載されている。
東芝メディカルシステムズのCTは,1978年の第1号機から数えて,2013年11月に累計生産台数が3万台を突破した。特に,2011年1月に2万5000台を突破してからは,2年10か月という短期間で5000台を生産している。これは同社のCT技術の高さが日本だけでなく,世界中で認められた証であろう。
|
|