2013-12-6
CT SPECTフュージョン機能
RSNA 2013 [第3日:12月3日(火)]
TeraRecon(テラリコン・インコーポレイテッド)の主力製品である「Aquarius iNtuition」シリーズでは,今後搭載される予定の「Aquarius iNtuition Clientビューアー」の新機能が紹介された。
まず,注目されるのが,フュージョン機能の強化である。今回のRSNA 2013では,新規に開発したCT画像とPET,SPECTの核医学画像とのフュージョン機能を披露した。造影CTの3D画像にSPECT画像をフュージョンさせることで,より病変部を見つけやすくなる。また,CTA画像にSPECT画像をフュージョンさせることで,どの血管がどの程度の範囲の心筋に血液を送り込んでいるのかを観察できるテリトリー解析が可能である。CT SPECTフュージョン機能は,熊本中央病院の協力により開発を行っているとのことである。
CT向けの新しいアプリケーションとしては,肋骨のラベリング機能が挙げられる。これは,通常のCT画像では診断しにくい肋骨の骨折を,心臓CPR機能を応用した技術により,肋骨の中心線を自動的に選択することで,骨折箇所をわかりやすくする。米国では“Rib Labeling”と呼ばれており,Aquarius iNtuition ServerのAPS機能に追加され,検査後すぐに自動処理され,画像を観察するときには,すでに中心線をマークした状態で表示される。
このほか,大動脈瘤などのステント治療において,留置するステントの選択検討を支援する“Virtual Stent”という機能も紹介していた。各メーカーのステントがリスト化されており,血管各所を計測し,それに合ったステントを選択して仮想的に留置する術前シミュレーションを行う解析処理である。将来的には,TAVIにも適用したい考えだ。
MRI関連では,心臓と脳神経領域のアプリケーション強化や新機能を追加している。日本では“TVA”という名称である左室駆出率を評価するためのEF解析機能を改良。新たに右室駆出率も解析できるようにした。これに血流のフロー解析,遅延造影の解析機能を組み合わせて展開する予定である。
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脳神経領域の新機能としては,拡散テンソル画像(DTI),トラクトグラフィの解析機能がある。1つの領域を選択するとどの神経がどこにつながっているのか,神経錐体路の走行をわかりやすくカラー表示する。DTIは,2014年内のリリースに向けて,現在開発を進めている。