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RSNA2013 シーメンス - CTリサーチ目的をターゲットにしたハイスペックCT「SOMATOM Force」を発表

2013-12-3

CTの最先端技術を注ぎ込んだ新製品「SOMATOM Force」

CTの最先端技術を注ぎ込んだ
新製品「SOMATOM Force」

RSNA 2013 [第2日:12月2日(月)]

Siemens Healthcare(シーメンス)は,RSNA 2013でCTラインナップの最上位機種と位置づける新製品「SOMATOM Force」(FDA・日本国内薬事未承認)を出展した。従来のシーメンス社の上位機種であるSOMATOM Definition Flashの発展型ではなく,管球から検出器,逐次近似画像再構成法まですべてを一新した最上位機種の位置づけで,リサーチ目的での使用をターゲットとした製品となっている。

2管球タイプのCTであり,X線管球には新開発の“Vectron tube”を採用。Vectron tubeは,被ばくの低減と同時にコントラスト分解能の向上,造影剤使用量の低減などに取り組み,低電圧(Low kVp)での撮影を実現する。管電圧70kVpでの撮影が可能。一般的に電圧を下げるとノイズが増え画像が劣化するが,それをカバーするために,1管球で最大1300mAの高出力を可能にした。これによって,CNRを担保しつつ被ばくを低減するLow kVpで撮影という新しいアプローチが可能になった。Vectron tubeでは,70〜150kVpまで10kVp刻みの管電圧の設定ができるため,今後,さまざまな管電圧で撮影することで,検査の種類や目的,部位などで最適な管電圧を検討することも可能な装置となっている。
また,ディテクタは従来のStellar Detectorを進化させた,“StellarInfinity Detector”にバージョンアップされた。StellarInfinity Detectorでは,チャンネル数を増加し,散乱線を除去する新しいグリッドを採用している。ディテクタの実装列数は96列,倍密サンプリングで192スライスの収集が可能で,ディテクタの幅は従来の1.5倍の約6cmとなっており,ガントリのローテーションタイム0.25秒とあわせて,スキャン速度は最大で秒間737mmを実現。全肺で0.3秒程度で撮影可能で,息止めの必要がない。心臓検査では0.15秒程度のスキャン時間で撮影ができ,1心拍の中の拡張期のみのデータを撮ることが可能になる。時間分解能は,2管球だからこそ実現できる66msとなっている。また,逐次近似画像再構成については,SAFIREの発展型である“ADMIRE”を搭載している。
SOMATOM Forceでは,高出力によってほとんどの検査で低電圧撮影が可能であり,被ばくが懸念される検査としてパーフュージョン撮影やダイナミックスタディなどがあるが,ルーチンで低電圧撮影が可能になることも考えられる。リサーチ目的での使用によってさまざまな知見を蓄積し,それらの技術を汎用機であるSOMATOM Definition FlashやSOMATOM Definition Edgeにフィードバックすることも想定されている。SOMATOM Forceは,2013年11月にドイツで第1号機が稼働したが,FDAおよび日本国内薬事未承認となっている。

高出力で低電圧撮影を可能にする新X線管“Vectron tube”

高出力で低電圧撮影を可能にする
新X線管“Vectron tube”

チャンネル数の増加と画質向上を図った新しい検出器“Stellar Infinity Detector”

チャンネル数の増加と画質向上を図った
新しい検出器“StellarInfinity Detector”

 

また,CTでは,コンパクトでコストパフォーマンスに優れた「SOMATOM Perspective」に,これまでの64,128スライスに加えて,16スライスバージョンが追加された。同じ筐体のまま,16スライスから64スライスにオンサイトアップグレードを可能にすることで,中長期的に多様な医療機関のニーズに対応するものだ。

16スライスバージョンが追加された「SOMATOM Perspective」

16スライスバージョンが追加された
「SOMATOM Perspective」