2012-11-27
ハードウエアを一新した
Aquilion ONE / ViSION Edition
RSNA2012 [第2日目:11月26日(月)]
Toshiba Medical Systems(東芝メディカルシステムズ)のCTコーナーでは,今回3機種が展示された。いずれも,もちろん,逐次近似再構成法被ばく低減技術“AIDR 3D”を搭載。画像ノイズを最大50%,被ばく線量を最大75%低減できる。2012年8月には,東芝のCTラインナップ全機種にAIDR 3Dが搭載されたことが発表されている。
東芝のCTコーナーで,最も注目を集めたのが,同社のCTラインナップでフラッグシップ機に位置づけられる「Aquilion ONE / ViSION Edition」であった。国内ではすでに,2012年6月に発表された同装置は,従来のArea Detector CT(ADCT)「Aquilion ONE / Global Standard Edition」の技術を進化させた第二世代のADCTと位置づけられる。ハードウエアを一新したViSION Editionは,ガントリの回転速度が0.275 s/rotに高速化され,高心拍の被検者への適応が広がった。また,X線管の高出力化も図り,最大900mAとなった。DASも新たに設計が行われ,1秒間に2910 viewのデータ収集が可能となっている。外観上もガントリの開口径が78 cmと広くなり,ポジショニングや手技も容易になる。このほか,AIDR 3Dにより,低線量での小児検査が行えるなど,幅広い領域の撮影に対応する。
東芝ブースの3台が並んだCTコーナーの真ん中には,マルチスライスCTとしては,同社の最上位機種にあたる「Aquilion PRIME」が展示された。80列160スライスというスペックもさることながら,その技術の多くがAquilion ONEから継承されている。従来のマルチススライスCTと異なる新開発のDASにより,高速ヘリカルスキャンが可能となり,体幹部600mmを3.8秒で撮影できる。また,高精度 kV / mA Switchingデュアルエナジーイメージングも可能である。撮影の高速化だけでなく,画像再構成のスピードアップも図られ,最大で秒間60fpsを実現。さらに,コンソールシステムの“SURE Station”により,撮影と画像再構成を並行して行えるため,スループットが向上し,検査の効率化にも寄与する。
東芝ブースのもう1機のCTは,エントリークラスの16列マルチスライスCT「Aquilion / RXL Edition」である。2012年1月に発表された同装置は,16列32スライスのスペックながら,TCOT+やDouble Slice Technologyにより,高画質化を図っている。さらに,コンソールシステムは,1モニタ1キーボードのシンプルなものから,SURE Stationや,CT室外での画像処理や観察が可能な“SURE Xtension”も選択が可能で,フレキシブルに構成できる。