innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

RSNA2012 シーメンス - CTCT:ステラディテクタを搭載し,“Right Dose”の検査を提供

2012-11-27

ステラディテクタを搭載した
「SOMATOM Definition Flash」

RSNA2012 [第2日目:11月26日(月)]

シーメンスのCTでは,第3世代の2管球CTとなる「SOMATOM Definition Flash(以下Flash)」と,64列の普及機クラスである「SOMATOM Perspective」が実機展示された。2011年のRSNAで発表されたステラディテクタ(Stellar Detector)は,Flashと1管球の最上位機種「SOMATOM Definition Edge」に搭載されて,すでに臨床での稼働が始まっており,高い評価を受けている。

CTの大きなトレンドは低被ばく化であり,シーメンスの“SAFIRE”をはじめ,各メーカーが逐次近似再構成法に取り組んでいるが,ソフトウエアによる処理だけでは限界がある。ステラディテクタでは,フォトダイオードとADコンバータを蒸着し実質的にアナログ回路を排除して,電子ノイズを大幅に低減し,逐次近似再構成法と組み合わせることで大きな効果が得られる。さらに,ステラディテクタでは,ノイズが大幅に低減されたことで,低電圧撮影が可能になっている。低電圧撮影では,それを補うための大きなmAを発生できるジェネレータが必要となるが,ディテクタ側の高感度化によってサポートできる。ステラディテクタによる画質向上によって,0.6mmの開口幅で0.5mmスライスの画像生成が可能になり,ブルーミングアーチファクトを抑え,分解能の高い撮影が可能になるなど,画質の向上と被ばく低減が両立できる。

ノイズを低減し,画質の向上が可能なステラディテクタ

ノイズを低減し,画質の向上が
可能なステラディテクタ

 

シーメンスCT「SOMATOM Perspective」は,ガントリの奥行き68cm,設置面積18m2とコンパクトな64スライスCTとして,昨年のRSNA2011で発表され,日本でも発売されている。日本の市場をターゲットにしたCTで,シングルスライスや4列CTからのリプレイスを考慮し,設置面積や消費電力,電源容量,ランニングコストなども抑えた64スライスとして,一から設計された装置である。コンパクトながら,心電同期撮影も可能で,心臓検査まで対応できる。また,効率的(efficiency)な検査を行う“eMode”を搭載し,患者や疾患に応じた最適のプロトコルを設定して,単位時間あたりの線量低減,管球負荷の低減することで,保守費用の低減や,アプリケーションサポートを無償で行うなど,ユーザーへの還元も含めた,新しいコンセプトの取り組みである。

コンパクトでeModeを搭載した「SOMATOM Perspective」

コンパクトでeModeを搭載した
「SOMATOM Perspective」

ガントリの奥行きは68cm

ガントリの奥行きは68cm

 

近年,CTでは“Low Dose”が大きなテーマになっているが,シーメンスはいち早くCTのLow Doseを提唱して取り組んできた。そして,今年RSNA2012でシーメンスは,“Right Dose”による「CARE Right」を提案した。闇雲なLow Doseではなく,低被ばくが前提であることは当然として,患者や疾患の診断に適正な線量でありながら,低線量なCT検査を提案した。

適正な線量によるCT検査を提案する「CARE Right」

適正な線量によるCT検査を提案する「CARE Right」