2012-11-27
デジタル技術を搭載したMRI「Ingenia」シリーズ
RSNA2012 [第1日目:11月25日(日)]
フィリップスはMRIでは,「Ingenia」シリーズを中心に実機を展示した。Ingeniaは,全世界で受注ベースで500台,日本では受注ベースで2012年で80台(3.0Tと1.5Tで5:3の割合)と,順調に実績を挙げている。展示では,そのIngeniaのデジタルコイルやdStream技術を生かして,さらに臨床的な価値を高める新しいアプリケーションやコイルなどを,W.I.P.を含めて多数展示した(Ingeniaの技術解説へ )。
Ingeniaのアプリケーションのポイントは,定量化イメージングである。RSNAでも“Quantitative Imaging”はひとつのキーワードになっているが,ブースでは脳神経外科領域で非造影のパフュージョン撮像を行うASLを定量化する“pCASL”,造影剤の腫瘍への浸潤の速度を定量化して画像化する“MR Permeability”,整形外科領域で膝軟骨の密度を定量化する“Cartilage assessment”などのアプリケーションを紹介した(いずれもW.I.P.)。また,Ingenia用の新しいコイルとして,ADCを内蔵した32chの頭部用デジタルコイル,乳幼児や小児の撮像に特化した頭部やボディコイルをW.I.P.として展示した。
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そのほか,Imaging 2.0のひとつのテーマである“Clinical Integration & Collaboration”を実現する,MRIで放射線治療計画を行う「MR-RT」を紹介した。放射線治療では,線量計算はCTで行うが,MRIによって軟部組織の画像を撮像しCTの画像に重畳することで,より正確で効果的な照射が可能になる。MR-RTでは,Ingeniaに位置合わせのための3軸のレーザー照射やフラットな寝台を組み合わせて,放射線治療へのMRIの活用をサポートする。
さらに,Improved Economic Valueに対応するサービスとして,同社のMRIであるAchievaをdStreamにアップグレードする「MR SmartPath to dStream」をアピールした(日本国内薬事未承認)。