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RSNA2012 富士フイルム - MMGマンモグラフィ:自動認識技術を活用した新しい読影用ワークステーションを出展

2012-11-29

高速経時差分機能による読影を提供「AMULET Bellus(ベラス)」

高速経時差分機能による読影を提供
「AMULET Bellus(ベラス)」

RSNA2012 [第3日目:11月27日(火)]

FUJIFILM Medical Systems(富士フイルムメディカル)では,マンモグラフィの読影端末として,新しいマンモグラフィワークステーションである「AMULET Bellus(ベラス)」(日本国内の薬事承認済)を展示した。

「AMULET Bellus」はビューワとレポートシステムから構成され,特長としては富士フイルムの画像認識技術を生かしたシェーマの自動作成機能や高速経時差分機能,容量の大きいマンモ画像の高速表示,直感的なユーザーインターフェイス,柔軟なカスタマイズ可能なレポートシステムなどを提供する。同じソフトウエアで,ライセンスキーを切り替えることで,2Dとリアル3D Mammographyをハンドリングできる。

「AMULET Bellus」のシェーマの自動作成機能は,画像認識技術によりニップルと胸壁と辺縁を自動認識して,患者ごとにシェーマを自動作成する。単一パターンのシェーマの利用では,二重読影を行う際などに,画像とシェーマのアノテーションの位置の対応が曖昧になることがあったが,患者ごとに作成されるシェーマによって,正確な位置を表示することが可能になる。シェーマはレポートに自動的に挿入される。

「AMULET Bellus」の高速経時差分機能は,マンモの読影で重要な比較読影の際に,左右や過去と現在など2枚の画像を1つの画面上で高速に切り替えることで,目線を移動させることなく画像の変化をとらえることができる表示方法である。変化したところに反応する,人間の視覚の残像効果を生かした読影法と言えるだろう。画像を切替えながら,ズームや移動,ウィンドウレベルの変更もスムーズに行える。マンモグラフィの画像は1枚の容量が大きいため,これまで画像の読み込みや表示に時間がかかっていたが,GPU(グラフィックボード)を生かした高速画像処理によってこれを解決した。

画像の呼び出し,表示のユーザーインターフェイスも,サムネイルから右(あるいは左)クリックによるドラッグアンドドロップで,複数枚の展開も容易に行えるように工夫されている。

レポート画面についてもシンプルなレイアウトを採用しており,1つの入力コラムに項目(石灰化など)を入力すると,初めて関連する項目だけが展開するようになっている。また,使用する言語についても,入力は日本語,出力は英語といった選択が可能で,現在15カ国語に対応している。レポートの内容も,国ごとの設定によって変更することができる。さらに,SYNAPSEとも連携でき,他のモダリティの画像を参照した読影も容易になっている。

RSNA2011で注目を集めた「3D Mammography」(日本では,リアル3Dマンモグラフィ)は,Bellusと連携して,2Dと同じ環境で読影,レポート作成が可能になっている。3Dでは0°と4°傾けた2枚の画像を利用するため,さらに大きな画像をハンドリングする必要があるが,2Dと変わらずスムーズに扱うことが可能だ。3D Mammographyは高い評価を受け,FROST & SULLIVANの2012 BEST PRACTICE AWARDを受賞した。

自動認識機能で患者ごとのシェーマを自動生成「AMULET Bellus」

自動認識機能で患者ごとのシェーマを自動生成「AMULET Bellus」

読影ワークステーションに対応した3D Mammography

読影ワークステーションに対応した3D Mammography

 

デジタルマンモグラフィの「AspireHD Plus(日本ではAMULET f)」は,2012年9月にFDAの510kを取得し,2013年1月から販売が開始される(日本ではすでに販売中)。50µmの直接変換型FPDを搭載し,高精細のマンモグラフィが可能だが,RSNA2012の展示では,検査の際の乳房の圧迫による痛みを軽減するために開発を進めている,新しい圧迫板を紹介した。圧迫板を手前に傾斜させることで痛みを軽減しており,日本での臨床評価も行っている。そのほか,本体ボディのデザインを5種類用意し,検査室にあわせて変更できることを紹介した。

装置のコントロールや画像収集,処理を行うコンソールの「AWS(Acquisition Workstation)」では,オプションで2面モニタ構成が可能で,セカンドモニタとして5MPの高精細モニタを追加できる。同じポジショニングで撮影を行う必要があることから,前回検査の参照が要求されるが,「AWS」では患者名を入力して検査のスタートボタンを押すと,自動的にPACSに検索に行き,同一患者の過去画像を自動的に表示する。富士フイルムメディカルのSYNAPSEはもちろん,他社製のPACSでも対応可能である。

50µmの直接変換型FPDを搭載した「AMULET f」

50µmの直接変換型FPDを搭載した「AMULET f」

手前に傾斜した圧迫板で検査時の痛みを軽減

手前に傾斜した圧迫板で検査時の痛みを軽減

   
AMULET用コンソール「AWS」

AMULET用コンソール「AWS」