2024-5-1
バルコブース
ベルギーに本社を置くバルコは,ディスプレイやプロジェクション技術,コラボレーション技術を中心に,エンターテイメントやヘルスケア,エンタープライズ向けの可視化ソリューションを開発,設計するグローバルなテクノロジー企業で,2024年に創業90周年を迎える。ITEMでは例年,医用画像表示ディスプレイや映像配信・画像統合ソリューション,サージカルディスプレイソリューションを展示,新たな製品・技術を紹介している。ITEM2024では,新製品のマルチモダリティ対応の32インチ8MPワイドディスプレイ「Eonis Color 8MP」や次世代パネル搭載の55インチサージカルディスプレイ,非接触でタッチパネルを操作可能にする「Hover-touch」などの製品・技術(参考展示含む)を展示したほか,ディスプレイ管理ツールも紹介した。
●同社最大の32インチ医用画像表示ディスプレイEonis Color 8MPをリリース
Eonis Color 8MPは32インチという大画面で,同社が展開する医用画像ディスプレイでは最も大きなサイズとなる。8MPの高解像度であらゆる画像診断・確認に対応可能で,sRGB色補正を実行する病理学設定を有し,正確な色で表現された最適な画像を確認できる。2つのワークステーションを切り替え可能なKVM機能のほか,モダリティやユーザーに合わせてプロファイルを作成・設定するユーザープロファイル機能,マウスカーソルの位置を自動判別し,画像観察時に電子カルテ画面などの明るさを抑える疲れ目防止機能「DimView」などの画像観察支援機能を搭載する。また,マイクやカメラ,スピーカーなどを搭載しており,オンラインコラボレーション環境を容易に構築できる。海外では自宅での画像観察(ホームリーディング)が多く行われるようになってきており,RSNAでは高評価を得たという。日本では,マンモグラフィ以外のモダリティに対応する高解像度のマルチモダリティ対応のディスプレイとして展開していく。また,同社製グラフィックスボードにより,ラップトップPCでも通常のディスプレイと同程度の環境で使用可能なこともアピールされた。
●映り込みを低減する次世代大型サージカルディスプレイや非接触で操作可能なタッチパネルを参考展示
画像配信ソリューションコーナーでは,非圧縮IPビデオソリューション「Nexxis」による血管撮影室・手術室などの映像配信環境を再現。新技術採用により映り込みを低減した次世代パネル搭載の55インチサージカルディスプレイや非接触でタッチパネルを操作可能にするHover-touchなどが参考展示として紹介された。
新たなサージカルディスプレイは,4Kの高輝度画質,高コントラストのパネルの保護ガラスの圧着にOptical Bonding技術を採用したことで映り込みを低減し,明るい場所でも優れた視認性を維持できる。広色域パネルを採用し,IVR中の内視鏡画像などの高い色再現性を実現,主に血管造影室やX線TV室,手術室向けとして開発が進められている。
Hover-touchは,タッチ操作とタッチレス(非接触)操作,手袋や医療用ドレープ越しでも操作できる。また,エアータップやエアースワイプなどのジェスチャー機能にも対応し,画面に液体が付着した状態でも操作可能である。今回は参考展示としてプロトタイプが展示され,今後ユーザーのヒアリングを重ねながらバージョンアップを進めていく。
●ディプレイ管理ツール「Medical QAWeb Enterprise」で業務効率の改善やコスト削減を実現
ディスプレイ管理ツールMedical QAWeb Enterpriseは,医用ディスプレイの品質管理のために開発されたツールである。ネットワーク接続された施設内のディスプレイの設置場所や状態,QAステータスなどを一元管理し,遠隔オートキャリブレーションや通電時間のモニタリングなどを可能にする。それにより,業務効率を改善し,品質管理に必要な労力やコストを削減しつつ,コンプライアンスを維持できる。なお,海外の主要なQAガイドラインに加え,日本の品質管理ガイドライン「JESRA X-0093」や「デジタルマンモグラフィ品質管理マニュアル」に対応する。現在,クラウド型とオンプレミス型の2タイプを展開しており,特にクラウド型では低コストで導入が可能で,系列病院などを含めた一元管理も可能になる。
●お問い合わせ先
社名:バルコ株式会社(サージカル&モダリティ事業部 / ダイアグノスティックイメージング事業部)
住所:〒143-0006 東京都大田区平和島5-1-1 ヤマトインターナショナルビル 8F
TEL: 03-5762-8720
URL:https://www.barco.com/ja