2023-4-28
ザイオソフトブース
ザイオソフトは,2022年にリリースされた次世代医用画像処理ワークステーション「Ziostation REVORAS」について,発売後に新たにラインアップされた各領域のクリニカルアプリケーションや機能をアピールした。同社がこれまで培ってきたインテリジェンスの集大成とも言えるZiostation REVORASは,同社の主力製品「Ziostation」シリーズとは異なる,新たなコンセプトでデザインされている。独自の技術性能「Revorability」により,リアリティのある,高度な3D画像処理を実現した。ITEM2022で行われたアンベールイベントで,同社代表取締役社長の茅野秀介氏により初披露されてから1年が経過し,その間にユーザーや臨床現場の声を反映,アプリケーションの充実やユーザビリティの向上を図ってきた。進化を続けるZiostation REVORASを体験すべく,ブースには多くの来場者が訪れた。
●今までにないリアルな3D画像を実現するRevorability
「Smart Imaging “みる” をシンプル,スマートに」をコンセプトに開発されたZiostation REVORASは,独自の技術やアルゴリズムにより高精度な画像処理と自動抽出を実現する「ファンクショナリティ」,高度な機能を軽快かつシンプルな操作感で行える「ユーザビリティ」,リモートアクセスなどを含む「アクセシビリティ」を追求している。このうち,画像の認識や解析,描写に関わる高度な技術とアルゴリズムを融合するのが独自の技術性能Revorabilityである。
Revorabilityは,「レンブラント」や「トランスペアレンシー」などの新たな画像表示法により,実用的でリアリティのある画像の描写を実現する。レンブラントは,17世紀の画家Rembrandt van Rijnにちなんで名付けられたレンダリングエンジンで,従来のボリュームレンダリングに加え,光を垂直および水平方向から当てることで影をつけるという「光と影」の技術を用いる。入射角の方向や光源の強さなども調整でき,より立体的でリアルな画像が作成できる。また,トランスペアレンシーはオパシティカーブやウィンドウレベルに依存せずに透過度を調整する技術で,術後の縫合線や細部の構造なども確認できる。これらの技術により,Ziostation REVORASは今までにない画像表現を実現した。
●「Ziostation2」搭載のアプリケーションをフルラインアップし,さらなる機能も追加
さらに,リリースから1年を経て,肺切除解析や肝臓解析など,同社の主力製品である3D医用画像ワークステーションZiostation2のアプリケーションが順次搭載された。肺切除解析は,気管支や肺の動静脈,肺葉を自動抽出して気管支や血管の走行と腫瘍の位置関係の把握などを容易にし,肺切除手術の術前シミュレーションをサポートする。Ziostation REVORASでは,肺の分割や肺動静脈の抽出,分離などの精度が向上し,修正作業にかかる時間を大幅に低減する。加えて,非造影CT画像でも肺動静脈の分離が行えるようになったことも大きなポイントである。それにより,腎機能障害のある患者でも肺がんなどの術前シミュレーションが可能になった。
循環器領域では,新たにMR心筋ストレイン解析が可能になったほか,心筋T1マッピングに加え,T2マッピングも可能になった。また,MR心機能解析は,Ziostation2では短軸像(SA)のみに対応していたが,通常のアキシャル画像にも対応可能になるなど,機能が拡大した。さらに,食道の損傷は嚥下障害などのリスクがあるが,CT値が低く,従来はマニュアルで抽出を行っていたが,EPプランニングでの食道の自動抽出が可能になった。自動抽出により,作業時間の大幅な短縮が期待される。
●ユーザビリティを向上させ,放射線科以外での活用拡大も期待
3D/4D解析では,1クリックで目的に合わせた一連の作業を自動的に実行するマクロ機能が可能になった。また,任意の機能をお気に入り登録できるなど,ユーザビリティがさらに向上している。これらの機能は,主にZiostation2のユーザーからの要望を受けて搭載され,従来の作業時間内での画像作成が実現することで,Ziostation REVORASのよりいっそうの導入が見込まれる。さらに,3D画像処理のニーズが高い呼吸器や消化器領域などの医師でも簡便に操作できることから,活用領域の拡大が期待される。
ブース内では,デモンストレーションやプレゼンテーションが行われたほか,4月16日(土)に学会共催ランチョンセミナー29「医用画像処理のnext stage 〜放射線科と執刀医の共通理解」が東北大学大学院医学系研究科放射線診断学分野の高瀬 圭氏の座長の下で開催された。「REVORASによる3D画像を活かした肝切除の実際」と題して藤田医科大学医学部岡崎医療センター外科学講座の守瀬善一氏が,「術前シミュレーションのための腹部撮影テクニック」と題して札幌医科大学附属病院放射線部の原田耕平氏がそれぞれ講演を行った(講演内容は,セミナーレポートとしてインナービジョン誌2023年7月号およびインナビネットのザイオソフトスペシャルに掲載予定)。
●お問い合わせ先
社名:ザイオソフト株式会社/アミン株式会社
TEL:03‐5427-1921
URL:https://www.zio.co.jp/