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2023-5-8

ニプロブース

ニプロのブースでは，グループ企業のグッドマン社が手がけるCardiology総合管理ソリューション「GOODNET」を中心に，循環器領域の診断・治療を支援するシステム・機器を紹介した。「GOODNET」は，2020年にメジャーアップデートを行い最新バージョンである「GOODNET 7」になったが，その後も進化を続けており，新機能の追加が図られている。ブースでは，GOODNETのビューワ「GoodView」に実装された「エコー計測」機能のデモンストレーションを行った。循環器領域では，検査の低侵襲化や，構造的心疾患（structural heart disease：SHD）に対するハイブリッド手術など，診断・治療のニーズが多様化している。このような状況を踏まえ，GOODNETでは，豊富な稼働実績をベースに，診療現場のニーズに応えるための技術開発が行われている。

また，ブースでは，前回のITEMで初披露したリモートモニタリングデバイスデータ自動取得システム「REVOLVER」も紹介した。心臓ペースメーカーの遠隔モニタリングを効率化し，生産性向上，働き方改革にも寄与するシステムとして注目されている。さらに，軽量のワイヤレスプローブとタブレットを組み合わせたモバイル超音波診断装置「ECHOMO」も展示。GOODNETをはじめとしたデジタル技術で循環器診療を支えていくニプロの姿勢を示した。

機能を強化して循環器診療を支援する「GOODNET」

●エコー計測機能を実装し機能強化を図ったGOODNET

展示のメインとなったGOODNETでは，前回のITEMで開発中の新機能として紹介したエコー計測機能が，ビューワのGoodViewに実装されたことがアナウンスされた。GoodViewで心エコーの画像を表示し，マウスで計測したい部位の始点・終点などをクリックして選択すると計測が行われ，画像上に数値を表示する。駆出分画（EF），1回拍出量（SV），拡張期容積（EDV），収縮期容積（ESV），左室流出路（LVOT）などのデータを容易に計測できる。さらに，計測した数値データは，レポートシステムに反映させられるほか，画像も貼付が可能。また，レポートシステムには，シェーマのテンプレートが用意されており，少ないマウス操作で，効率的かつ充実した内容のレポートを作成できる。これにより，作業負担の軽減，省力化を図れる。グッドマン社では，ドイツTOMTEC Imaging Systems社の心エコー画像解析システム「TOMTEC-ARENA」も提供しており，高度な解析を行う場合はTOMTEC-ARENAを用いるなど，用途・目的に応じて，使い分けることも可能だ。

「GoodView」（右）で計測した心エコーのデータをレポートシステム（左）に反映

「GoodView」に新機能として加わった「エコー計測」機能

計測データ付きの画像をレポートに貼付可能

●煩雑な心臓ペースメーカーの遠隔モニタリングを効率化するREVOLVER

前回のITEMで発表したリモートモニタリングデバイスデータ自動取得システムREVOLVERは，ニーズが高まっている心臓ペースメーカーの遠隔モニタリングを効率化するシステム。心臓ペースメーカーは現在，複数の企業から提供されているが，遠隔モニタリングによる指導・管理には，各社のサーバから使用状況に関するデータを取得する必要がある。REVOLVERでは，個々のサーバからデータを自動的に取得して，指導・管理を行いやすいようにデータを加工。異なるデータフォーマットをCSVとPDFファイルに変換して提供する。さらに，GOODNETとも連携して，レポートシステムで参照できるようにした。シームレスなシステム連携により，指導・管理のための作業を容易にする。
2022年度の診療報酬改定では，心臓ペースメーカー指導管理料」の遠隔モニタリングによる指導・管理を行った「遠隔モニタリング加算」として，「ペースメーカー」260点，「植込型除細動器又は両室ペーシング機能付き植込型除細動器」480点の算定が可能となった。これに伴い，心臓ペースメーカーの遠隔モニタリングが普及しており，REVOLVERも関心を集めている。循環器領域のITソリューションで実績のあるグッドマン社のシステムであることも，REVOLVERのアドバンテージだと言えるだろう。

4社の心臓ペースメーカーに対応し遠隔モニタリングを支援する「REVOLVER」

「REVOLVER」は「GOODNET」とシームレスに連携

●ワイヤレス接続の小型・軽量モバイル超音波診断装置ECHOMO

モバイル超音波診断装置ECHOMOは2021年のITEMで初披露されて以降，毎回展示されている。ワイヤレスの7.5MHzリニアプローブ「ECM-LP-01」とAndroid OS搭載のタブレット端末「ECM-TB-01」で構成される小型・軽量の装置だ。ECM-LP-01のサイズは，約27mm（D）×約53mm（Ｗ）×約171mm（H）のスティック状で重量はわずか167g。リチウムイオンバッテリーにより3時間以上の使用が可能である。画像モードは，Bモードとカラーモードに対応。専用カプラとゲルパットをプローブヘッドに装着することで，画質の向上を図れる。ECM-TB-01は重量が440g，10.1インチサイズのタブレットで，アプリケーションの画面から走査を行える。プローブとタブレットとの接続は，Wi-Fiのほか，USB-Cケーブルによる有線にも対応する。

小型・軽量モバイル超音波診断装置「ECHOMO」はBモードとカラーモードに対応