2022-5-6
ネットカムシステムズブース
ネットカムシステムズは,展示ホールDの大きな通路に面した位置にブースを構え,ゲートから入場する来場者の視線を集めるブースデザインで,乳腺画像診断ワークステーション「mammodite(マンモディーテ)」をアピールした。ブースには個室タイプの展示スペースを3室用意し,感染防止対策をとりながら,実機を使ってmammoditeの最大の特長である表示スピードや直感的な操作性をデモンストレーションした。今回もEIZO,バルコ,JVCケンウッドの協力を得て,12メガピクセルモニタ(各社1台)とスタンダードな5メガピクセルモニタ2面構成(EIZO)を配置し,各社のモニタに対応していることをアピールした。今回の展示では,mammoditeの高い基本性能に加え,最新アップデートで追加された新機能や開発中の機能の紹介が行われた。
●左右で撮影条件が異なる場合にアラートを表示する機能を実装
乳腺画像診断ワークステーション「mammodite」は,すべての女性のためによりよい乳腺画像診断を提供することをめざして自社開発したシステムで,ビューワやレポーティングシステムを搭載している。データ容量が大きいマンモグラフィ画像をストレスなく読影できるように,表示スピードにこだわって開発していることに加え,PCさえ使えれば使用できる直感的なユーザーインターフェイスと操作性で,読影を効率化し,読影医の負担を軽減することができる。
mammodite は2012年にリリースされたが,最新の情報とニーズをキャッチし,ユーザーの声を迅速に反映するという開発コンセプトの下,バージョンアップで毎年さまざまな機能の追加や強化が行われている。最新アップデートとして,左右の乳房で撮影条件が異なる場合にアラートを表示する機能が追加された。デジタルマンモグラフィでは,左右で同様な画像になるように画像処理が行われると,自動で病変部分も調整されてしまい,病変を認識しにくくなる可能性がある。そのような処理が行われた場合は電圧などの撮影条件が左右で大きく異なることから,撮影条件の左右差があることを通知して注意を促すことで,読影を支援する機能として開発された。アラートの表示は,クリック操作による任意表示,または自動表示を選択でき,ユーザーが読影しやすいフローで利用することができる。
●乳房構成の判定方法変更に対応する機能を開発中
ネットカムシステムズでは,ガイドラインなどの最新情報や臨床動向をとらえ,mammoditeの開発につなげており,現在,乳房構成の判定方法変更に対応する機能を開発中であることが紹介された。これまでマンモグラフィの乳房構成は,大胸筋部分を除いた乳房全体に対する乳腺組織の多寡で4つに分類して評価されてきたが,読影者内・読影者間で一致率が低い症例も存在した。そこで,判定の一致率を高めるために乳房構成の判定方法が検討され,皮下脂肪,大胸筋部分,明らかな乳腺後隙の脂肪のみの部分を除いて,もともと乳腺組織が存在していた領域の割合から乳房構成を分類する判定方法を2020年に日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)が公表,2021年11月の第31回日本乳癌検診学会学術総会でも周知された。今後は,この判定方法が臨床で用いられるようになることから,それに対応する機能をmammoditeに実装することをめざし開発が進められている。
●もう一つの主力事業であるネットカム事業も紹介
ネットカムシステムズは,メディカル事業だけでなくネットワークカメラ(ネットカム)用ソフトウエアの開発・販売を手掛けている。多拠点・複数カメラを同時かつリアルタイムに確認できるネットワークカメラ監視ソフトウエアなどを医療機関にも提供しており,待合室の混雑状況の確認などに活用されている。ブースでは各展示スペースにカメラを設置し,モニタ1画面でライブ表示して,それぞれの状況を確認できるようにし,もう一つの主力事業であるネットカム事業についてもPRした。
●お問い合わせ先
社名:株式会社ネットカムシステムズ
住所:〒532-0003 大阪市淀川区宮原5-1-18 新大阪サンアールセンタービル16F
TEL:06-4866-6431
URL:https://www.netcam.co.jp/