innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

ITEM2019 コニカミノルタジャパン 取材速報 X線動画解析WS「KINOSIS」や線量管理システム「FINO.XManage」など,技術・人・未来をつなぐソリューションを披露

2019-4-14

コニカミノルタジャパンブース

コニカミノルタジャパンブース

コニカミノルタジャパンはテーマに「技術をつなぐ,人をつなぐ,未来をつなぐ。——Connect Technology, Connect People, lead the Future.」を掲げて展示を構成した。ブース内のメインステージでは,この“技術をつなぐ”“人をつなぐ”“未来をつなぐ”製品・技術のプレゼンテーションが行われ,多くの来場者を集めていた。

1933年に「さくらレントゲンフィルム」を発売して以降,コニカミノルタはX線撮影に関する製品・技術を世に送り出してきた。その連綿と続いてきた開発力の結晶が,2018年11月に発表されたX線動画解析ワークステーション「KINOSIS」である。“KINO”は“傑作な映画”と“機能”をかけており,“SIS”は,解析や診断を意味する。“技術をつなぐ”ことで世に送り出されたKINOSISは,一般X線撮影装置で撮影された画像を動画にして表示する。 島津製作所のX線撮影装置「RADspeed Pro」とコニカミノルタのワイヤレスFPD「AeroDR fine」,画像診断ワークステーション「CS-7」から得られたデータをKINOSISに送信して動画解析を行う。解析機能は,5モードを搭載している。視認性向上のための画像処理として,肺野内の肋骨や鎖骨の信号を減弱する“BS-MODE”,特定周波数を有する構造物の動きを強調する“FE-MODE”。構造物の動きを定量化する画像処理としては,肺尖部や横隔膜の動きを追跡する“DM-MODE”がある。また,動きに伴う信号値の変化を抽出する画像処理として,呼吸に伴う肺組織の動きによる信号値の変化をとらえる“PL-MODE”,血管の拍動による肺野内の濃度変化を可視化する“PH-MODE”がある。

一方で,コニカミノルタが近年強化しているヘルスケアITのソリューションにも大きな動きがあった。新たなブランド名として,「FINO.VITA」が立ち上げられた。ラテン語で“上質な人生”を意味する。今回のITEMでは,この新ブランドの名を冠した2製品が登場した。その1つ被ばく線量管理システム「FINO.XManage」は,データの収集・管理だけでなく,診断に適した画像を確保しつつ,被ばく線量の最適化を図ることをめざして開発された。2020年4月に予定されている被ばく線量管理の義務では,CT,血管撮影装置,SPECT/CT,PET/CTが対象となっているが,FINO.XManageはそれらに加えて,一般撮影にも対応しているのも大きな特長である。FINO.XManageの「一般撮影業務マネジメントシステム」では,被ばく線量データを基に,部位や撮影,再撮影数,スタッフ,撮影時間,検査時間などの項目別に統計処理を行い,グラフで表示。放射線部門の検査業務を可視化して,被ばく線量の最適化だけでなく,業務改善に役立てることができる。例えば,再撮影が多い撮影部位を抽出して撮影法を検討したり,スタッフごとに異なる検査時間の問題点を分析したりして,標準的な検査を確立するといったことが行える。

もう1つのFINO.VITAブランド製品が,画像診断ソリューション「FINO.View」である。FINO.Viewは,従来の「NEOVISTA」ブランドと2017年に買収したパナソニックメディカルソリューションズの「Plissimo」ブランドの画像ビューワの機能を統合。医師の生産性向上に寄与する製品として今後正式発表される。FINO.Viewは,コニカミノルタ独自の“MSP方式”により画像表示が高速化されているほか,マルチモダリティに対応して1画面上に各装置の画像を同時表示が可能。さらに,3D画像や動画像の表示も行える。乳腺領域では,マンモグラフィ診断支援装置「NEOVISTA I-PACS CAD type M」と組み合わせて使用できる。また,タブレットに向けに「FINO.View.air」もラインアップする予定で,時間や場所を選ばす読影を行えるようにしたことで,医師の働き方改革を支援する。

ブースでは“未来につなぐ”技術として,開発を進めている人工知能(AI)のプレゼンテーションも行われた。コニカミノルタでは,丸紅と米国Enliticと協業し,プライマリケアAIとして,検査・検出・診断における画像処理や病変検出の開発を進めている。また,治療分野においても買収した米国Ambry Genetics,Invicroの技術によるAI開発を行っていくという。プレゼンテーションでは,熊本大学と進めている乳がん,脳腫瘍,アルツハイマー病のradiomicsおよびCAD研究についても紹介された。

このほか,ブース内では,ワイヤレスFPDの「AeroDR fine」や適用部位を拡大した個別最適化の画像処理技術“REALISM tune”,乳がん検診ワークフロー「CADnavi」,内視鏡レポートに対応した「Unitea α」,IPネットワークカメラシステムなど医療安全に寄与する製品が展示された。

X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」

X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」

 

X線動態撮影の原理

X線動態撮影の原理

 

X線動態撮影のキーテクノロジーでもある「AeroDR fine」と「CS-7」

X線動態撮影のキーテクノロジーでもある「AeroDR fine」と「CS-7」

 

被ばく線量管理システム「FINO.XManage」の患者説明用レポート

被ばく線量管理システム「FINO.XManage」の患者説明用レポート

 

「FINO.XManage」の「一般撮影業務マネジメントシステム」の統計処理画面

「FINO.XManage」の「一般撮影業務マネジメントシステム」の統計処理画面

 

開発中の画像診断ソリューション「FINO.View」

開発中の画像診断ソリューション「FINO.View」

 

コニカミノルタが進めるAI技術開発

コニカミノルタが進めるAI技術開発

 

“REALISM tune”による画像の最適化処理(右)

“REALISM tune”による画像の最適化処理(右)

 

乳がん検診ワークフロー「CADnavi」では,「FINO.View.air」で画像を参照しながら超音波診断装置「SONIMAGE HS1」での検査を提案

乳がん検診ワークフロー「CADnavi」では,「FINO.View.air」で画像を参照しながら超音波診断装置「SONIMAGE HS1」での検査を提案

 

「Unitea α」はオリンパスの内視鏡と連携してレポートを作成可能

「Unitea α」はオリンパスの内視鏡と連携してレポートを作成可能

 

●お問い合わせ先
社名:コニカミノルタジャパン株式会社
住所:〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング
TEL:03-6324-1080
URL:http://konicaminolta.jp/healthcare/