2019-5-2
アゼモトメディカルブース
アゼモトメディカルは,「使って,よかった,アミダス」を展示テーマに掲げ,被ばく線量管理を身近なものにするため,使いやすさやスピードを重視して開発した医療被ばく線量情報管理システム「AMDS(アミダス)」(販売:東洋メディック)を大きく紹介した。ITEM出展2回目となる今回は,昨年よりもブースを拡大し,AMDSの製品モデル名である玄武・白虎・朱雀・青龍の四神をあしらったブースデザインで来場者を迎えた。
畦元将吾代表取締役は,AMDSの開発コンセプトを次のように述べている。「展示テーマの通り,ユーザーの先生方に『導入してよかった』と思っていただけるようなシステムをめざしました。線量管理をするための手間や人的負担,コスト負担がかからないように,また,将来的に法律やガイドラインの改正・改定があっても,保守サービスの中で対応できるようにするなど,現場で使われる医師,診療放射線技師の先生方に負担をかけずに線量管理ができるように設計しました」
ブースではユーザーからのビデオメッセージも流され,ユーザーが実際に感じている“AMDSの良さ”が紹介された。
●医療現場に負担をかけずに被ばく線量管理を可能にする「AMDS(アミダス)」
AMDSは,X線検査の命題であり,また,2020年の医療被ばく線量管理・記録の義務化に向けて関心の高まる被ばく線量の最適化を実現するために,最適な撮影条件を“編み出す(アミダス)”ことを支援する医療被ばく線量情報管理システムである。CTやアンギオシステムなどのモダリティやPACSから自動収集した線量データをバックグラウンドで自動処理するため,ユーザーはデータ処理の作業をすることなく,WebブラウザのAMDSポータルページから個人別・プロトコル別の線量管理を行うことができる。ポータルページとなる「プロトコル別線量一覧」画面では,プロトコルごとの線量(CTDIvol,DLPの最小値,中央値,最大値)が一覧で示され,クリック操作だけでプロトコル別の解析結果や個人別の解析結果を表示する。また,装置名や部位,日付,年齢や性別,身長・体重などでの絞り込み表示も可能だ。プロトコル別解析結果表示画面(レポート画面)では,月ごとの線量推移や検査件数,任意条件の線量分布などを表示できる。直感的かつ簡単な操作性が大きな特長で,例えば,線量分布図の外れ値をクリックすると,該当する検査の詳細画面に移ることができる。
線量データは診断参考レベル(DRLs)と比較でき,自施設の撮影プロトコルや被ばく線量の客観的妥当性の評価を行える。また,施設ごとに線量指標を設定することも可能で,施設の目標線量値をレベル1,警告すべき線量値をレベル2と設定することで,線量値がそれぞれのレベルを超えると数値が黄色,赤色で示され,視覚的に把握しやすい。患者ごとの線量管理画面では,検査履歴や検査情報を確認できるほか,必要に応じて検査時にSD値を計測したSD画像を添付できる機能が実装されている。数値的に低い線量であっても,SD画像を参照できることで適正な検査であることを確認できる。同様に線量マップも添付できるほか,コメント欄が設けられ,任意に入力が可能だ。
また,使いやすいユーザーインターフェイスを追究し,操作画面や操作性をCTのコンソールやワークステーションに類似させた。画面上部には,使用頻度の高い検索条件のショートカットボタンを設定することもできる。
これらの自動処理・解析を可能にしているのが,モダリティメーカーや装置,施設ごとに異なる検査プロトコル名を統一する独自のリンケージ機能である。使用しているプロトコル名とDRLsの検査名のリンク(紐付け)を一度行えば,以降は自動で紐付けが行われる。AMDS導入前の過去の検査についても適用でき,煩雑な作業をすることなく院内全体の線量管理が可能となる。
また,監査やミーティング,研究に際しては,ボタン一つでデータをCSV出力できるエクスポート機能も搭載されている。さらに,保守契約を結ぶことで,最新のソフトウエアへのバージョンアップや,法改正・ガイドライン改定にも対応する。なお,AMDSへのデータ収集・リンケージ処理は,業務に影響しないように夜間に行われるが,急患の検査が入った場合には,AMDSの処理は一時中断され,検査が優先される仕組みとなっている。
AMDSは,施設規模と用途に合わせて,「玄武」「白虎」「朱雀」「青龍」の4つのモデルがラインアップされている。大規模病院向けのメインモデル「朱雀」は,院内にサーバを設置し,モダリティ接続数は無制限,同時接続クライアント数は10台となっている。一方,大規模病院が対象の「青龍」はクラウド型のモデルで,匿名化した情報をクラウドサーバ上に上げて線量管理を行う。青龍を導入している施設との線量比較が可能で,他施設の検査情報を参考に,撮影プロトコルを検討することもできる。青龍もモダリティ接続数は無制限,同時接続クライアントは1台からとなっている。
小規模病院・クリニック向けのメインモデル「白虎」は,ワークステーション規模のサーバを院内に設置し,モダリティ接続数は5台,同時接続クライアント数は1台となっている。また,CT装置保有台数が1台のみのクリニックなどに向け,機能を簡易化した廉価バージョンとなる「玄武」を2019年5月に発売する。
さらにブースでは,関連施設病院間での統合連携モデル「麒麟」(W.I.P.)も紹介した。麒麟は,大学附属病院やグループ病院など,関連施設病院内で線量管理を一元的に行うためのモデル。いずれかの施設にサーバを置き,各施設の朱雀や白虎とVPNなどでセキュリティを確保して接続し,データの送受信・参照を行う。クラウド型の青龍では,匿名化によりどの施設の情報か特定できないが,麒麟では施設ごとの情報を把握できるため,関連施設内で統一した線量管理や最適化の検討を行える。
●AMDSの使用経験などを報告するランチョンセミナーを開催
JRC・ITEM最終日の4月14日(日)には,JRS,東洋メディック社との共催としてランチョンセミナー30が行われた。順天堂大学医学部放射線医学教室教授の青木茂樹氏が司会を務め,国立病院機構水戸医療センター放射線科部長の井田正博氏が「被ばく線量管理も含めた画像診断管理について」,順天堂大学医学部附属順天堂医院放射線部技師長の木暮陽介氏が「AMDSを用いた実践的なCT検査線量管理」を講演した。
井田氏は,画像診断管理について,画像管理加算がついた被ばく線量管理も含んだ内容を述べた。基礎から運用方法に至るまで詳しく説明し,画像診断管理,被ばく線量管理の重要性,必要性を講演した。
木暮氏は自施設で運用している,AMDSの運用方法を中心に述べた。AMDSは,一連の操作が簡便で処理速度が速く,Webで見ることができるため院内の端末で使用できることや,保守契約内に年に一度の点検や法改正に沿ったソフトウエアへのバージョンアップが含まれていることも利点であると述べた。また,定期的に開催されるユーザーミーティングは,施設ごとの意見を聞ける良い機会であり,ユーザーの声をシステム開発に反映してくれる点なども魅力的であると述べた。
最後に青木氏が,場内の質疑応答後,来春の被ばく線量管理の義務化に向け,アゼモトメディカル社のAMDSが,さらに現場の役に立つようなシステムになるよう期待していると締めくくり閉会した。
|
|
|
●お問い合わせ先
社名:株式会社アゼモトメディカル
住所:〒104-0061東京都中央区銀座2-9-13GINZA-2-7F
TEL:03-6271-0829
URL:http://www.azemoto.co.jp